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今回紹介いたしますのはこちら。

「火ノ丸相撲」第28巻 川田先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、序盤の連敗から一転、一気に優勝戦線に殴り込んできた鬼丸。
打倒刃皇に燃えるほかの力士たちも熱戦を繰り広げ、刃皇が突っ走っていくかと思われた今場所の優勝争いは混沌として行き……!?


激戦の結果、最後の最後まで土俵の上に残った二人の力士は……
横綱・刃皇と、前頭三枚目の鬼丸でした。
多くの人々に力をもらい、そして自らの力と心も磨き上げ、たどり着いたこの土俵。
ここで、鬼丸は刃皇と「話す」ために鬼丸は力を尽くしてきたわけです。
その刃皇の胸中は複雑でした。
消して調子の悪くなかった自分がまさかの二敗、そしてもつれ込んだ決定戦の結果……
それらに、相撲の神の作為のようなものを感じた刃皇ですが、その末に自分の前に立っているのはあの鬼丸。
一度は砕いたはずの鬼丸が復活したどころか、さらなる成長を遂げて再び自分の前に立つ。
それは楽しみではあるのですが……同時に不愉快でもありました。
相撲の神が自分の負けを望むなら、自分の意志でそれに逆らい、自分の意志で土俵を去る。
それが人を謳歌し、神になるということ。
勝つ。
土俵の上では私こそが神なのだ!!

土俵の下で二人の戦いを見守る大勢の観客や力士たちは、刃皇が有利と見ます。
今までの戦績はもちろんですが、この最後の一戦までに行われている本割と決定戦の一回戦、刃皇はどちらも速い相撲で決め、鬼丸は力を使い果たす熱戦の末決着。
二人の体力は、比べるまでもなく刃皇が有利なのですから。
ですが、国宝世代の力士たちはそんな状況でも……いや、そんな状況だからこそ鬼丸に期待してしまうのです。
なぜなら、鬼丸はこういう時こそ何かを起こす男なのですから!!

時間いっぱいになりました。
土俵の上でにらみ合う二人……!
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その迫力は、見るものすべてを圧倒します。
水を打ったように静まり返る中、館内の視線は二人にのみ注がれて……
そして、運命の一番は始まります!!
ものすごい勢いでぶつかり合う二人!!
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刃皇は、複数の相を同時に発現させる無道で一気に勝負を決めんと鬼丸ののど輪を押さえつけます!!
その圧倒的な、支配的な、神のごとき力量は、まさしく長きにわたって土俵に君臨し続けてきた「神」に等しい実力といえましょう!!
普通の力士なら、今までの鬼丸なら、このまま一気に押し出されて土俵を割っていたはず。
ですが……鬼丸は気合一閃、そののど輪をとらえていた腕を振り払うのです!!
鬼丸は、運命に、神に抗いし者……!!

刃皇は鬼丸を近づけまいと、細かい突きをこつこつとあてて鬼丸を追い払います。
が、小さい体ながら、その体には力と心がぎっしりと詰め込まれた鬼丸が、その程度の突きで止まるはずもありません!!
一気に間合いを詰めて潜り込み……鬼丸は、左の下手を引くことに成功したのです!!
そして組み手争いをしながら……二人の会話は始まります。

刃皇に救い上げられたあの一番。
鬼丸はいま改めて、そのありがたさをかみしめ、誉れ高き横綱と向かい合う喜びをかみしめていました。
だからこそ、まだやめてほしくない、と強く思うようになっていました。
自分が土俵を面白くして見せる、自分が横綱を孤独にはさせない!!
その言葉はつまり、自分が横綱になって刃皇の横に並ぶということを意味しています。
が、鬼丸のその体で横綱になるなどということができるのか?と刃皇に問われてしまいました。
ですが鬼丸は、もうその手の問答はいいでしょう、と話を打ち切るではありませんか!
自分が今ここにいる、それがすべての答えです。
いつ終わるとも知れない子の体、でもまだ終わっていないからここにいる。
ここが地獄と知りながら、それでもワシはここにいる。
相撲の神に嫌われているワシはみんなが思う神の依り代にはなれないかもしれない、でもワシは、神に歯向かう異形としてこの地獄を闊歩する、鬼神となる!
これでもまだワシの「愛」を疑いますか?

刃皇は鬼丸の下手を切りました。
とっさに距離をとる鬼丸に……刃皇は、今を生きるので精いっぱいの君には荷が重いんじゃないか、違うというなら楽しませてみろ、歯向かって見せろ、
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ここに現人神がいるぞ、と……雲竜の型を取って見せたではありませんか!!
それに対して、鬼丸は最高の返答をします。
もう一つの横綱土俵入りの型、
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不知火の型で!!
最高の「今」を積みあげる、それがワシの相撲道じゃ!!
これは鬼丸が、必ず横綱になると横綱に誓う決意表明そのもの……!!
横綱と、未来の横綱と。
この一番は、大相撲史に刻まれる大激戦となるのです……!!



と言うわけで、滔々完結を迎えることとなった本作。
横綱刃皇に優勝決定戦で挑む鬼丸、というこれ以上ない採取決戦となった本作ですが、今まで本作を読んできた皆さまならばこの戦いの中で数々の物を感じられることでしょう。
その万感の最終決戦はぜひとも皆様の目でご確認ください!!
そんな様々な思いのこみ上げる最終回までが収録された今巻ですが、その後ジャンプ+に掲載された番外編もしっかりと収録。
最後の取り組みが終わってそのまま終了となった本作ですが、番外編は番外と言うよりもその後を補完する、エピローグ的な内容となっております。
そちらのメインとなるのは、鬼丸とレイナの結婚式!
あの二人の結婚式ですから、普通に終わるはずもなく……?
様々な人物のその後も描かれるこの番外編まで読めばよりこみ上げてくるものがあることでしょう!
ただひたすらに熱く、そして時にコミカルで……
そんな鬼丸たちの相撲道、最後の最後までお楽しみください!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!