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今回紹介いたしますのはこちら。

「ゆこさえ戦えば」第2巻 福井セイ先生 

小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行です。


さて、悪魔と人間がタッグを組んで激突し、勝ち残ったものがどんな願いもかなえてもらえると言う血を血で洗う戦い、「ディアブロイル」。
その戦いに巻き込まれてしまったゆこですが、ゆこはそんな戦いに全く興味なし。
ゆことタッグを組んだ実力は悪魔のギギラは、物凄い才能を秘めているゆこを何とか戦わせようとするのですが、ゆこはギギラをペット可友達のように扱うばかりで……?



二学期も始まってしばらくたった、そんな妙な時期に転校生がやってきました。
みなさん初めまして、香住令です、よろしくお願いします。
そう言って丁寧にあいさつする令、クラスがざわつくほどの美少女なのですが、それよりも驚くべきなのは
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隣に悪魔が立っていること!!
それを見たギギラは当然臨戦態勢になる……かと思われたのですが……
どうしたことでしょう、
ゆこの、ギーちゃん緊張しなくていいからね、という言葉に、たかが転校生にするか、とピントのずれ多様な返答をするではありませんか。
実はこれこそが、令の契約悪魔・ランスの能力!
「心侵(ハック)」と呼ばれる能力で、テリトリー内にいる者の人間悪魔問わず精神に干渉することができ、このようにそこに自分がいないように錯覚させることも簡単にできてしまうのです!
この力を使えば、相手の不意を突いて能力を最大出力でさく裂させ、一切の行動を不能にしたり、自滅に追い込むことすらも可能……
その恐ろしさは言うまでもないのですが……彼女はこの場でいきなりゆこたちを同行しようとはしていないようです。
「団長」によれば、ゆこが以前戦闘時に見せたエネルギー反応が常軌を逸していたらしい。
まずはじっくり観察させてもらう、我ら「雀皇団(じゃくおうだん)」の脅威になるかどうか……
密かにそんなことを考えながら、ゆこの横を通り過ぎ、自分の席に着く令。
自分の横を転校生が通り過ぎる、そんなシチュエーションにゆこのほうががちがちに緊張していたりしたのですが……まあそこはおいておきましょう……!

休み時間になると、クラスの皆が例を取り囲んで質問攻め。
令はその質問攻めを無難に受け流しながら、ゆこの心を読もうとしていました。
凄まじい力を持つ者ならば、行住坐臥戦いのことを考えているはず!
ですがいざ頭の中を覗いてみますと……
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gather(ギャザー)って何だっけ、えっと確か覚え方は、Gで始まるからギーちゃんがいるでしょ、それがギャーっと驚いてザーッと滑ってくるから、「集める」!!
……憶え方はアレですが……これは単純に次の英語の授業の予習をしているだけ……?
令はきっと何かの間違いだ、と更にゆこの心の奥底を覗くのですが……
社会の授業中も、体育の授業中も、生物の授業中も、ギーちゃんがらみの妄想が多いながら、ただただその授業に関してのことを考えているばかり!
ディアブロイルのことは全く考えていないのに、悪魔のことばかり考えている……!
ますますゆこのことがわからなくなる令なのですが、もしかしたら万が一にも悪魔のことをばらさないため、学校ではディアブロイルの事を考えないようにしているのだろうか、と推理する令。
ところがそう予測した矢先、今日も悪魔のギーちゃんいんの?とゆこのごっこ遊びに付き合っているつもりで問いかけてくる友達に、ここにいるよ!と答えている姿を目撃してしまうのです……

ゆこのことが全く分からない令、相棒のランスに相談して、多少危険を侵しても直接絡んで探っていこう、という方針をうちたてます。
物理的な戦いになれば勝ち目はほぼ無し、ランスがいると気づかれた時点で敗北と言ってもいいでしょう。
そんな覚悟を固める零奈のですが……
何の因果か、ゆこのほうもギギラにどうしようかと相談していました。
それも、令と仲良くなりたい、という、大きく見れば同じ悩みで!
ギギラからすれば、悪魔の自分にも全く物おじせずに絡んできたゆこが、何故令に積極的に絡んでいかないかがむしろ不思議です。
……実はゆこ、意外と人見知りのようでして。
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ギギラと積極的に絡んで行けたのは、ギギラの方から話しかけてくれたから、だと言うのです!!
それにしてもゆこ、なぜ悩むほど令と仲良くなりたいと考えているのでしょう。
だってあの人……とゆこが答えようとしたとき、件の令が現れるではありませんか!
あの、新王寺さん、今日転校してきた香住ですけど、初めまして、まだしゃべってなかったよね?
そう言って向こうから声をかけてきてくれましたので、ゆこはぱあっと顔を明るくして、令に駆け寄っていくのです!
話しかけてくれてありがとう、私も香住さんとお話したいと思ってたんだ。
にこにことそう告げてくるゆこ。
そしてどうして話したかったのかの理由も続けました。
だって香住さん、
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朝からずっと、後の悪魔と一緒だったから!


と言うわけで、新キャラクターが登場する今巻。
ゆこのマイペースぶりが本作のキモなわけですが、あまりにマイペース過ぎて見えないはずの悪魔が見えていた、ということに誰も気が付きませんでした!
ともかく、悪魔バレしてしまった令とランス。
このまま真っ向から戦っても勝ち目がないのはわかっているはずですが、それでもその能力を活かして戦闘になる前にどうにかすることはできるかもしれません!
急遽バトルに突入してしまうのか、それとも……!

この後もゆことギギラの戦わないディアブロイルが展開していくわけですが、令の登場とともに現れた「雀皇団」の存在も皆様気になるところでしょう!!
バトル漫画的な敵のチームが登場してしまったわけですが、セオリー通りならば令を皮切りに、一人一人戦って行って、最強であろう「団長」との決戦になるでしょう。
ですがそこは本作ですし、圧倒的平和感を持ち味にしている福井先生作品です!
思いもよらない雀皇団との決着も見逃せませんよ!!

勿論通常営業の日常もたっぷり用意されております。
ゆこの一人遊びや友達との日常、ギギラとの恒例の漫才(?)などなどをはじめとしまして、ゆこにすっかり心を奪われてしまっているディアブロイル参加者、雄牙がらみのお話も!
福井先生作品らしい、ほっこりできるひたすらに平和で楽しい毎日、ぜひともご堪能ください!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!