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今回紹介いたしますのはこちら。

「遺書、公開。」第5巻 陽東太郎先生 

スクウェア・エニックスさんのガンガンコミックスJOKERより刊行です。


さて、「序列」の思いがけない真実が明らかになった前巻。
本当に姫山椿の自殺に序列が関係しているのか、クラスの中に疑念が広がっていきました。
そんな中、次に遺書を発表するのは、姫山椿の一番の親友と言われていた、御門凛奈となったのでした。



御門にあてられた遺書の内容はこんなものでした。
いままでありがとう。
短い間だったけど凛奈と仲良くできて本当によかった。
けんかをしたこともあったけど、それでも全部が楽しかったよ。
凛奈は私の一番の親友だったよ。
こんなことになるなんて思わなかったけど……私の気持ちわかってくれたら嬉しいな。
これからも見守っています。
一見するとあたりさわりのない、感謝だけの文面にも見えます。
この遺書には他意はないのかとそのまま考察も終わろうかというその時、異を唱える者が現れたのです。
既に遺書を公開した、相畑です。
御門さんが今読んだ遺書って、椿ちゃんが書いたもの……だよね?
椿ちゃんらしくない気がして……
そんな相畑の問いかけを受けた御門は、ハッキリと答えました。
私が書いたとでも言いたいの?
私が自分に都合いいように偽装したんじゃないかってそう言いたいわけ?
誰か第三者が適当に描いたんじゃないかって、そう言う話?
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言っておくけど、これは椿が書いたものだよ。
間違いない。
椿らしくないって言うけど、椿よりも序列を優先した元友達に何がわかんの?
……今にも噛みつかんばかりの鋭い目つきで睨みながら。
ですがそこで相畑は、こう返すではありませんか。
凄く言いづらいんだけど……
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それなら御門さん、椿ちゃんに親友って思われてないかもしれない……
相畑が言う「椿ちゃんらしくない」部分。
それは遺書の文章そのものではなく、「伝え方」なのだと言います。
御門はこの遺書の文章に全く違和感を感じてはいなかったのですが、椿と友人関係で、好きな漫画の話などをしていた相畑にはわかりました。
この文章は、姫山椿のお気に入りの漫画作品のセリフの引用なのだ、ということを。
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それはその漫画の有名なシーンのセリフで……
親友への手紙ならばそんな手抜きはしないだろう、と言われた御門は、うろたえながらも好きな漫画のセリフだから敢えて使ったんじゃないか、といては見るものの、それすらも完全に否定されてしまうのです。
そのセリフは、主人公がずっと自分をだましていた親友に別れを告げるシーンに使われたものなのですから……!

そんなセリフの引用をした遺書を渡す相手。
それを果たして、親友と思っているでしょうか?
指摘された御門は、今まで見たことのないような、何とも言い難い恐ろしい表情を浮かべていました。
そして、御門も以前姫山椿にその漫画を貸してもらっていたにもかかわらず、そのセリフを覚えていない事が判明し……
姫山椿だけではなかったのでしょう。
御門もまた……彼女のことを、親友だなどとは思っていなかった……
誰が見てもそれはもう明らかです。
それでも御門は言うのです。
私と椿は親友だよ。
だっていつも一緒にいたし、一番たくさんおしゃべりしたもん。
お弁当も毎日一緒に食べたし、部活ではダブルス汲んで頑張って、家帰ってからもずっとメッセージのやり取りしてた。
皆だって私が一番椿と仲いいと思ってるんでしょ?
これのどこが親友じゃないの。
教えてよ……
…………教えたのは、廿日市でした。
他人を観察し続けてきた廿日市によれば、1年生の時には御門と姫山椿はそんなに仲良くなかった、といいます。
ダブルスは汲んでいる者の、部活以外で一緒にいたという記録がない、と。
相畑も、自分が椿と一緒だった1年生の時に、違うクラスだった御門が訪ねてきて顔を合わせた、というような記憶がありません。
1年生の時は部活で顔を合わせるだけ。
2年生になってから常に一緒にいるようになった……
つまりそれは、姫山椿が「1位」であるから……!!
必死に否定をする御門なのですが、そこで目立たない男子であった、名取がこう指摘したのです。
「あいつとダブルス汲まされるとか本当最悪」「全然上手くないのに優等生だからってひいきされてる」。
そう言ってたよね、と。
1年生の時御門と一緒のクラスだった名取。
目立たないグループなど、そこに存在しないかのように扱っていた御門は、何も考えずに友人とそんな会話を交わしていたのです……!
……静まり返る教室。
やがて、御門は静かにつぶやき始めます。
そうだ、なんか思い出してきた。
私なんで……
そうだよ、私、
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椿の事、大っ嫌いだったんだ……


と言うわけで、御門の真実が明かされる今巻。
この後御門が椿のことをどう思っていたのか、そしてなぜ親友になろうと思ったのかが語られていくのです。
そのお話ももちろん興味深く、椿の自殺の原因を探るうえでの一つの材料になることは間違いないでしょう。
ですがこのあと、物語は思わぬ方向に転がっていくことになります。
それは、「本当の椿」に関してです。
この遺書が椿の書いたものだとすると、誰にでも優しく人当たりの良い優等生、という彼女の印書が大きく変わってきます。
本当に彼女は、みんなが思っていたような完璧な優等生だったのか?
この後はそんな謎にも斬り込んでいくことになるようです。
さらに続く遺書公開のの中で、ついに自殺の原因がわかったというものも現れます!!
徐々に見え始めてきた全貌。
全員が遺書を公開した後、全てが明かされるのでしょうか……?
佳境に差し掛かった感のある本作。
全員の遺書の公開もそう遠いことではないでしょう。
そこでこの事件は決着するのか、その先があるのか?
先の読めない展開はまだまだ続きそうですね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!