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今回紹介いたしますのはこちら。

「アンダープリズン」第1巻 宮尾行巳先生 

日本文芸社さんのニチブンコミックスより刊行です。


さて、「五佰年BOX」の宮尾先生の最新作となる本作。
そちらは不可思議な箱を巡って巻き起こった様々な異変と、それに翻弄される主人公たちを描いた作品でした。
本作はそんな作品とはまた違った、バイオレンスな要素を多分に含んだクライムサスペンスとなっているようで……?



凶悪な犯罪が増加し、国民の怒りが拡がっていく日本。
さらに巻き起こった、再審の末逆転無罪となった死刑囚が起こした爆破テロ事件……
それをきっかけに世論は一気に「犯罪者許すまじ」の流れへ進んでいきました。
結果、死刑判決の基準は大きく引き下げられ、死刑囚が一気に増加することになりました。
そしてその死刑囚を収容するための施設……地下に作られた拘置所、平坂拘置所……通称「地下茎」が作られます。

その地下茎ができて7年がたったある日のこと。
その日も数名の死刑囚が地下茎に連れてこられていました。
死刑囚だけが入るこの拘置所、通常の拘置所よりも厳しい制限を受けるようです。
地下にあるからには、太陽の光を浴びることも、空を見上げることもできない。
そんな制限のみならず、外部からの面接は2か月に一回まで、差し入れは原則禁止、となっているのです。
さらに、相手が死刑囚だと言うこともあってでしょうか。
看守はみな一様に、死刑囚をまともに扱わないのです。
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自分にたてつこうものなら、意識を失うくらい激しく警棒で叩き伏せ……

そんな地獄に足を踏み入れた男の仲の一人、桃瀬純矢。
彼はもう一人の囚人とともに、身体検査を受ける場所へと連れて行かれます。
そこでまず看守は、純矢に裸になって四つん這いになるように命令します。
大人しく検査を受ける純矢。
すると看守はじっくりと、舐めまわすように純矢の体を物色し始めました。
そして純矢のうなじに何やら傷があることを確認すると……
可愛い顔して傷ものか、お前みたいなのはどこでもいじめられるからなぁ。
俺が特別に「守って」やってもいい、お前の心がけ次第で、な?
そう持ち掛けてくるのです。
それはつまり……そう言う行為をしてもいいかと持ち掛けてきている、ということで……!!
とんでもない提案を持ち掛けられた純矢は……入る房融通してくれよ、そしたらこっちも「サービス」してやるよ、とぺろりと舌を出して見せて……!!

誰もいない薄暗い部屋に純矢を連れ込んだ看守。
ズボンを下げ、純矢の頭を鷲掴みにすると、うまくやれ、お前の今後がかかってるからな、といやらしく笑うのです。
純矢はそこで
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看守の局部をがっちりと握りつぶさんばかりの勢いでつかんだのです!!
こんな感じで少年少女に手をつけてたんだな、それ犯罪じゃねえか?
なんと純矢、この看守がかつてそう言った犯罪に手を染めていたことを調べ上げていたのです!!
このことを看守長が知ったらどうなるかな。
ここまで調べておいて何の対策も立てずにここにいると思うか?
俺は失うものなんてないけど、あんたはどうだ?
そう言って、純矢は看守を逆に脅迫しだしたのです。
純矢が看守に求める「お願い事」は、他の看守や囚人の情報と……そして、最初に言った通り「入る房の融通」です。
純矢は、自ら望んでこの地獄に来ていました。
ここがどんな場所だろうと、どんなことをしてでも、ここにたどり着く……
その目的は、たった一つ……!!

やがて純矢は、希望していた房に入りました。
そこにいたのは、がっしりとした体形の坊主の男、川浪伊左夫と、一心不乱にキャンバスに向かって何かを描いている櫛目仁吾の二人。
純矢はついに目的のこの場所へとたどり着いたのです。

……それは2年前のこと。
純矢が家に帰りつくと、そこには信じたくない惨状が拡がっていました。
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家族3人が皆惨殺されていると言う、惨たらしい惨状が。
そして純矢も、まだ息をひそめていた犯人にうなじを切りつけられ……

純矢は奇跡的に一命をとりとめ、ニュースでその事件の犯人を知りました。
そしてその犯人が今年、死刑判決を受け、この地下茎にぶち込まれたのです。
犯人の名は、櫛目仁吾。
純矢は、この櫛目仁吾に会うためにここにあえてやって来たのです。
自分からすべてを奪った櫛目仁吾にあい、そして……
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自らの手で引導を渡すために!!


と言うわけで、復讐のために自ら死刑囚へと身を落とした純矢。
ここでこの櫛目に引導を渡すことができれば、純矢はもう自分がどうなってもいいと思っているようで。
実際純矢は、もう一人の同房の川浪の目さえどうにかできれば、すぐにでも行動に移す決意を持っているのです。
ですがこの房に入っている櫛目は、どうにも引っかかるところが多すぎます。
凶悪殺人犯が、一見すると凶悪どころか人のよさそうな人物にさえ見える……というのは、現実でも漫画でもよくあるところ。
この櫛目はそう言うものとも少し違う理由で……犯人にはどうしても見えないのです。
一心不乱にキャンバスに向かい続ける櫛目。
彼がキャンバスに向かう理由が判明し、さらに次の段階に進んでいくにつれ、物語はがらりとその色を変えて行くのです!!
予想外の現実、2年前の事件に秘められた真実、そして地下茎に隠された謎。
単なる復讐劇には終わらない、深い謎と闇が立ち込める本作の今後が気になるところですね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!