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今回紹介いたしますのはこちら。

「マイホームヒーロー」第10巻 原作・山川直輝先生 漫画・朝基まさし先生 

講談社さんのヤンマガKCより刊行です。


さて、哲雄、半グレ、歌仙の親族、哲雄に怪しいものを感じている刑事の安元と、それぞれの思惑が絡み合っていく本作。
家族を守るために必死に挑んできた哲雄の戦いもいよいよ終盤に差し掛かって来たようですが……



急遽歌仙の故郷に向かうことになった哲雄と零花。
もしかしたらこれが零花とゆっくり二人きりになれる最後の時かもしれない。
そう考えた哲雄は、歌仙の故郷に向かう道すがら、零花にすべてを話すことにしたのです。
にわかには信じることができないであろう、哲雄と歌仙の出会いの物語を。


哲雄は高校一年生の時、事故によって両親を亡くしました。
その後祖父と二人きりの生活を始めたのですが、その祖父も1年後に病気で亡くなり、哲雄は天涯孤独の身となったのです。
誰の手助けも欲しくない、独立した強い男になりたい。
哲雄はそう考え、バイトと勉強に打ち込みました。
大学に行くための学費も自分一人で貯め、自分の力で住む家も確保したい。
その為にまずは哲雄、田舎のガソリンスタンドで住み込みで働きながら、祖父の家を賃貸で貸し出すと言う生活をh締めたのです。
ガソリンスタンドは20時間営業で、従業員は哲雄と店長だけ。
店長は一日三時間しか来ず、残りの17時間は哲雄が働くのですが……ガス欠や故障などの外に出かけなければいけない仕事がない限り、お客さんもほとんどやってこず実働は一時間程度。
残りの時間は全て勉強にあてることができました。
おかげで大学入学資格検定は一発でパスでき、大学入試のための勉強や、そのころから趣味だったミステリ小説を書くと言った日々を過ごしていたのです。

そんな日々を送って、いつしか21歳になっていた哲雄。
その日もいつも通り暇な営業が終わろうとしていたのですが……そんな時、
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この田舎には場違いな和服の少女が現れたのです。
ふもとの町から徒歩なら1時間半、山の上から歩いてきたとすると最寄り駅まで半日。
あまりにも異様な登場をした彼女に、哲雄は興味もあって問いかけます。
迷子ですか、誘拐でもされたんですか、それとも何かして逃げてきたんですか?
すると彼女は、迷子じゃないし誘拐されてもいない、でも、逃げてきたのはそうです、というではありませんか。
家出か納得する哲雄でしたが……なんということでしょうか、この女性「家出」という言葉そのものを知らない様子。
「出家」みたいな意味ですか?
出家ではありません、お坊さんになる予定はございませんので。
そう答える彼女に驚きながら、家出と言うのは家庭環境が嫌で逃げることですけど、と説明してみると、彼女は今度はこう返します。
そうなのですか?
それでしたら家出です。
……普通当たり前に知っている言葉は知らない、でもその言葉遣いは驚くほど丁寧。
哲雄は、内心感動めいた感情を感じていました。
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この、まるで小説の導入のような雰囲気に……!

警察に連絡しようかと来てみると、彼女は友達の家に行くところだから大丈夫、と見え透いた嘘をついてきました。
今初めて会った他人ではありますが、夜道を女性一人で歩くと言うのはやはり危険。
誰か迎えに出も来てもらった方がいいんじゃないかと持ち掛けるものの、月明かりがあるから大丈夫だ、と彼女は言うのです。
彼女の足元の汚れ具合から見ると……たっぷり数時間は歩いてきたであろうことがうかがえます。
歩くこと自体は大丈夫そうですが、長時間歩いてきた彼女は喉が渇いているようで、水をもらえないか、と尋ねてきました。
自動販売機はここだよと案内すると、今度は自動販売機を始めてみたと言いだす彼女!!
山4つ越えて歩いてきたと言う彼女ですが、いくら田舎からさらに4つ山を越えたと言っても、いくらなんでもそんな田舎が普通あるはずがありません。
彼女の様子を見ても嘘をついているようでもありませんし……
ミステリの舞台みたいだ、一回取材に行ってみたいな、とどんどん興味がわく哲雄は、無一文だと言う彼女にジュースをおごってあげることにしました。
無一文の家出少女、やっぱり通報した方がいいのだろうか、などと考えながら彼女にお金を渡しますと……
そこで彼女はさらに驚くべきことを言うのです。
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これが、お金……
お金すら、見たことが、ない……?
驚くばかりの哲雄の前で、彼女はジュースの缶を両手で持ち、背筋を伸ばして飲み始めます。
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それはまるで、何か大切な儀式のようで……



と言うわけで、予想以上に異常な二人の出会いが明かされた今巻。
零花もこの出だしを聞いて「なにそれ?」と突っ込まざるを得ない、それこそ小説か何かの様なシチュエーションですが、歌仙の背景はこれからさらに驚くものであったことが明かされていきます。
そして哲雄は、自分が「主人公」ではない事を思い知らされていき……
この後もどんどんと二人の過去が明かされていき、あの謎に包まれていた洋二との邂逅など、様々な応訴が判明します。
そもそも零花が最初半グレに狙われたのは、彼女の祖父の持つ財産が目当てだったはず。
哲雄が天涯孤独の身になったと言うことは、その財産は当然歌仙の親の物なわけで……
本当にこの物語は、この出会いから始まっていた、と言っていいでしょう!!
その全ての始まりの物語は、さらに続いていくようです。
その出会いの後、哲雄と歌仙はどうなっていくのか?
洋二とのかつてのやり取りからも、普通ではない出来事が起こるのは間違いないでしょうが……

そして、過去の回想に入る前、今巻の前半でもとんでもない出来事が巻き起こります!!
哲雄が恐れていたことが立て続けに巻き起こったうえ、それを哲雄が把握していないと言う最悪の状況が描かれる前半のパートも必見!!
物語は、この回想を終えると同時に一気にクライマックスへと向かっていくであろう、怒涛の展開は見逃せません!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!