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今回紹介いたしますのはこちら。

「不徳のギルド」第5巻 河添太一先生 

スクウェア・エニックスさんのガンガンコミックスより刊行です。


さて、大手を振って引退するために後進の育成に励むキクル。
最近は徐々にモノになりそうな者もあらわれ。希望の光が見えないでもないような気もするのですが……?



キクルに日頃の感謝を伝えようと、サプライズでキクルの家を訪ねたひたむきたち。
ですがキクルはこの日、人と会う約束があるとのことでそのサプライズそのものを却下……しようとしました。
ところがその会う予定の人物は、日田向きも一緒に連れてくるように指示。
キクルはひたむきを連れてその人物に会いに向かうのですが……
そこで問題なのは、居残りのメイデナたちがキクルのために料理を作ってあげる、と宣言しているところ。
新人4人衆の中で唯一まともに料理の出来るひたむきがいない状態で、どのような料理という名の惨劇が繰り広げられるのか……
キクルはおびえながらも、約束に向かうほかないのでした。

やって来たのは、知の泉という名の看板が出ている古書店です。
ここの店主はガードも兼任しているものの、最近はそちらの仕事はほとんどしていない……という、学者のイズでした。
まるで子供のような見た目ですが、それはあくまでそう言う種族だからというだけの事。
こう見えてもアラフォーだ、という彼、キクルが知る人物の中でトップクラスの魔物の知識を持っている人物でして。
キクルは彼にひたむきの体の謎を解いてもらおうと考えたのです。
ひたむきの体をじっくり隅々まで調べる……までもなく、イズにはもうひたむきの謎の正体に予測がついているようでした。
イズは言います。
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まとめると、ひたむき嬢は世界とつながっている。
……もちろんそんな風にまとめられても全く理解できません。
イズは面倒臭がりながら、詳しく解説を始めるのです。

一方その頃、キクルの家ではメイデナたちの料理が完成しておりました。
その出来は……上々です。
何故なら彼女たちは、ひたむきから何時間も料理を教えてもらい、その結果料理の必勝法を叩き込まれていたからです。
その必勝法とは……レシピを守る事!!
レシピを守りさえすれば、とんでもない料理が出来上がることなどないのです!!
が、ここでトキシッコがろくでもない事を言いだしてしまいました。
レシピをそのまままねて作った料理って、レシピが「作者」ってことになっちゃうんじゃないかな。
ひたむきはレシピを守れって言ってたけど、私たち、もう次のステージに進んでもいいんじゃない?
ただ馬鹿正直にレシピを守り、工夫もせず、3人がかりで仕上げたのはひたむきの完全下位互換。
この料理には私たちの「色」がない……
その言葉を聞いて、よせばいいのにハナバタとメイデナも燃えてしまいました。
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この凡作を私の色で昇華させてやるぞ!!
これまでの流れでコツは掴んだもの、私の応用力を見せてあげるわ!!
ハナバタとメイデナは奏握りこぶしを作り……
そして、惨劇の幕が開いてしまうのです。

で、キクルたちはいよいよ深層に触れ始めていました。
ひたむきの体の謎は、この世界に充満している「魔素」にあると言うのです。
ガード達がスキルを使うと、魔力を消耗します。
その消耗した魔力は、空気中の魔素を取り込んで回復するのです。
魔物たちは魔力を糧にしている生物なのですが、魔素を自力で魔力に変換することが苦手なのだとか。
そこで彼らか、動植物を襲い、直接魔力を摂取するのです。
人間は基本的に空気中の魔素を取り込んで魔力を回復するのですが、その回復具合には個人差があります。
魔素を取り込みやすいもの、取り込みが遅いもの、それは人それぞれ……なのですが、そこでひたむきの体質が出てくるわけです。
普通の人が持っている魔素の吸収率は1%にも達しません。
ですがひたむきの吸収率は……
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なんと、100%!!
消費した魔力を瞬時にそのまま、空気中の魔素から補充してしまうと言う超特異体質なのです!!
しかも普通なら魔素が魔力になる時はその変換したモノ特有の混じりけが生まれてしまう物。
ひたむきに関してはそれすらなく、魔素の純度をそのまま保った極上の魔力を体に湛えている……!!
魔物からすればそれは
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「最高級の食材」そのもので……
それ故にひたむきは魔物から襲われてしまうのです!!
ちなみにひたむきの体が敏感なのは、魔素とひたむきの魔力の親和性が高く、常に結びつこうとひかれあっているからで、やたら彼女が転んでしまうのは、魔素と体の性質が一致しているため、どこまでが自分の体なのかがおぼろげで距離感がつかみづらいから、だとのこと。
今までの執拗なまでの転倒やら、肌が敏感でいや~んなイベントには、全て理由があった……!!
キクルは驚きを禁じ得ないのでした!

ちなみに魔物が女性ばかりを襲うと言う最近の以上に関しても、イズは何かをつかんでいるようです。
が、それに関しては教えてくれませんでした。
それは現状は大きな問題ではないとイズが判断しているから、そして……
大人の役目は、「答えを教えること」と「答えを教えないこと」だから、と。

ともかくひたむきの体の謎は解けたと言っていいでしょう。
問題の解決には至りませんが、それでももやもやが貼れたという点では大いに有用でした。
お休みの時間を使ってまで自分の体のことを調べてくれて申し訳ない、とひたむきは小さくなるのですが、キクルはそんなひたむきの頭を優しく撫でてやります。
お前に裂く時間を無駄みたいに言うな、俺がしたくてしていることだ。
お前らだって今日は俺のために動いてくれたんだろ?
さぁ、早いとこ帰ってアイツらの下手くそな料理を馬鹿にしてやろう。
そんなことを言いながら、二人はキクルの家に戻るのです。
……そこには惨劇が拡がっている、とも知らず……



と言うわけで、物語の謎が明かされた今巻。
ですがだからと言ってどうということもなく、その他のお話では通常営業が行われております。
メイデナとトキシッコが喧嘩をするお話やら、メイデナがそのメンタルの弱さをつかれて幽霊的な魔物に憑りつかれてしまうお話、隣の町のガードと出会うお話などなど、様々なお話が用意。
今巻では比較的まんべんなくみんな活躍しておりますが、特に目を惹くのはノマの活躍(?)でしょう!
女の子と見間違うほど可愛らしい男の子、というのはもはや一般的なキャラクター造詣なわけですが、そこは本作。
ノマが男であろうとなかろうと、本作の魔物は構わず襲い掛かってくるわけです!!
いつも通りそんなノマを含めた本作のヒロイン達が、これでもかとばかりにあられもない姿を見せてくれます!!
今回は触手攻めが多いような気もしますが、憑依されたメイデナの凄まじい攻撃力など、坦ンダるエロスだけではないアレコレもございます。
そんなヒロイン達の「海苔」なしサービスシーンをたっぷりとご堪能ください!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!