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今回紹介いたしますのはこちら。

「死もまた死するものなれば」第2巻 原作・海法紀光先生・桜井光先生・モンスターラウンジ 作画・狛句先生 

富士見書房さんのドラゴンコミックスエイジより刊行です。 


さて、不可解な事件で、自身が助手を務めていた探偵、錠を失ってしまった晴。
その事件で知り合った謎多き姉弟、小海とるぅが錠の探偵事務所を受け継ぎ、そして晴も錠の遺志を受け継ぎ、姉弟の探偵助手として働くことになるのでした。



錠の探偵事務所を受け継いだ小海。
ですが、舞い込んできた依頼をあっさりと断ってしまいます。
それはその依頼に小海が求めている「モノ」がないから、なのですが……
そんなことを続けていたせいでしょうか、冷蔵庫の中は空っぽ。
小海は、何か買ってきた方がよさそう、とつぶやいた後……私もお腹がすいてきたわ、と続けました。
釣りに行かないと。
小海はそう言いながら、メールを打ち始めました。
ですが……メールは未完成のまま、タッチパネルは面倒だと言ってるぅに携帯電話を手渡してしまいました。
携帯電話の画面には、意味不明の文字列が並んでいました。
あがわかかさら?さかわあらかさら。はなさたあ
そんな不可解な文面を見ると、るぅはすぐさま携帯電派の操作を始めました。
出来上がった文面はこう。
お元気かしら?もし時間があるようなら、お話しない?聞きたいことがあるの
……どうやらこの姉弟の間には、多くを言わずとも通じ合う何かがあるようで。
小海の考えを余すことなく込めた文面は、晴のもとに送られるのでした。

晴に尋ねたのは、フォークロアやネットロア……いわゆる都市伝説についてでした。
出来る限り活きのいいものを、と言われた晴は、最近話題になっているあるものの画像を送ってくれました。
それは
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超巨大なススキの画像。
それを見た小海は、舌なめずりをして……るぅに、旅支度をするよう命ずるのでした。

小海に指定された場所にやって来た晴。
なんだか霧がかかっているような、不思議な感覚を覚えますが……とりあえず小海たちとすぐに合流し、バスで件の画像が撮影された場所に向かいます。
バスで15分ほど進みますと、一面の田んぼや山……田舎風景の拡がる場所へとたどり着きます。
都会暮らしをしている晴は、この光景に感動してしまいますが、小海はいつもの調子でスルー。
すぐさま画像の場所へ向かうのです。
その道中、小海は晴にこんなことを言ってきました。
ごめんなさいね、無理に呼び出してしまって。
探索者を一から育てるとどうなるのか、興味があるの。
あなた、釣りのセンスあるようだし。
……今一つ言っている意味がわからない晴ですが、小海からこの仕事が誰かの依頼ではなく、独自調査だと聞かされて一層意味がわからなくなってしまいました。
この巨大薄の調査に来るにあたって、小海からはバイト代だけでなく、ここまでくる交通費の全て、それも新幹線はグリーン車で支給してくれています。
ということは……やはり今回も、怪物がらみ、なのか?
晴の脳裏には、そんな考えがよぎるのでした。

歩き続けていますと、程なく集落が見えてきました。
その手前で……何やら木の陰に隠れるようにしてしゃがみこんでいる少女を発見します。
様子がおかしいと晴がすかさず声をかけますと。少女は何かに怯えたような顔をしながら、こう答えたのです。
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パパが、じょうはつしちゃった。
行方不明のことだろうか?と晴が考えていますと、今度は少女の体が激しくがくがくと震えだします。
これは危険だと救急車を呼ぼうとするものの、何故か電話は圏外。
晴は少し戻ったところに電話ボックスがあった、と小海に教えてもらいますと、すぐにそこへ向かって駆けだしていきます。
残された小海とるぅは、少女の近くにしゃがみ込んで様子を見守っていたですが……
少女は、「なにか」を見て、突然怯え始めます。
そんな少女に、そっと手を差し伸べるるぅ。
すると少女は安心したのか、ありがとう、とようやく笑顔を見せてくれました。
が。
その直後、少女は
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文字通り「蒸発」してしまうではありませんか!!
小海はそれを見て……あたりを見回しながら言いました。
蒸発と言うのは面白い表現だけど、「喰われた」わね。
この子もこの子の家族も。
それに……この辺りの人々すべて。

戻って来た晴に、少女は家族が迎えに来てくれた、と嘘をつく小海。
晴の方は嘘とは知らず安心するのですが、なんでも公衆電話もどこにもつながらなかったとのことで。
それを聞いたるぅは、静かにこう言いました。
繋がらないんじゃない。
通信、遮断された。
そして静かに、双眼鏡を晴に渡します。
その双眼鏡を、促されるまま覗いてみるとそこには
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今まで何も見えていなかったはずの場所に、巨人のような人影が複数、うろついているのが見えたのです!!!
あまり長く見ない方がいいわ、あと、そろそろ逃げないと。
私は大丈夫、晴をお願い。
小海がそう言うと、るぅは晴の手を取り……見えない巨人を背にして逃げ出すのでした。



と言うわけで、またも新たな怪物が姿を現した今巻。
あの得体のしれない巨人を、小海はこの後こう呼びます。
「くねくね」と。
ですがあの巨人は、我々が良く知る「くねくね」とは大きく違うようですが……そもそも小海が探しているモノは、都市伝説に似た何か。
その何かは、あのクトゥルー神話に記されている何かだとは思われるのですが……!?
そして三人は「くねくね」の謎を探り、戦う手段を探していくことになります。
果たして見るだけで「蒸発」してしまうくねくねを退治することができるのでしょうか?
そもそもなぜ突然くねくねが現れ、ススキが巨大化したのでしょうか?
深まる謎の中、小海は!?
さらにそんな中で、思いもよらない人物も動きを見せ……!!

最近薄めの単行本が多い気がするドラゴンコミックスの中でだけでなく、普通の単行本としても大ボリュームの一冊となっている本作。
謎多きストーリーに、さらなる謎の気配も漂ってくる本作から、ますます根が離せませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!