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今回紹介いたしますのはこちら。

「僕のヒーローアカデミア」第26巻 堀越耕平先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、エンデヴァーの下でインターンに励むデクたち。
その中で出久たちは成長を遂げて行き……そしてエンデヴァーは、ホークスの渾身の作戦により、ヴィラン連合あらため超常解放戦線の情報を事前につかむことができたのでした!


インターンで大きな手ごたえを感じた出久達。
そんなインターンも終わり、いつも通りの学校生活に戻る、はずだったのですが……
その日、担任である相澤の姿がありませんでした。
やってきたオールマイトによれば、つい今さっき急用ができてしまったのだ、とのこと。
その旧用途は何なのでしょうか?
相澤はと言いますと……車でどこかに急行しています。
同乗しているのはプレゼントマイク。
旧知の仲である二人ですが、車中の空気はただならぬピリついたものが漂っています。
USJで戦った、そんな素ぶりは微塵もなかった。
趣味が悪いにもほどがある。
そんな川をかわしながら、二人の乗った車は捕えられたヴィランが収容される施設に到着します。
二人を出迎えたのは、グラントリノと塚内です。
塚内とグラントリノは二人にこんなことを話し始めます。
脳無は人の手によって体を改造され、複数の個性に耐えられるようになった人間。
ただし生きた人間じゃない、脳みそから心臓に至るまでめちゃくちゃにされてる。
脳無をは、まさしく人形。
意思持たぬ操り人形。
……のハズだった。
その話を聞いている間も、相澤は苛立ちと言うには生易しい、爆発しそうな何かを心のうちに抱え込んでいるかのような顔をしています。
それでも塚内たちは、必要な話だからと話を続けました。
こいつはヴィラン連合の核。
口を割らせることができれば一気に大本を叩けるんだが、いかんせん肝心なことは一切話そうとしない。
くだらない話はするが連合の淵になる情報については、電源が落ちたようにすとんと無反応になるんだ。
……あまりに精巧で、それと気づくまでに時間がかかった。
複数の因子が結合され、ひとつの新たな個性になっていたんだ。
そしてそのベースになった因子……
かつて雄英高校で君たちと苦楽を共にし、若くしてその命を落としたとされている男。
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白雲朧のものと、極めて近いことがわかった。
白雲朧は、学生時代に相澤とプレゼントマイクとの三人でインターンに向かっていたこともある親友でした。
俺たち三人なら、何でも解決できると思うんだ。
三人で事務所を立てよう、ショータは細かいとこまで見てくれてるし。
白雲がそう言ってリーダーシップを取り、ノリのいいプレゼントマイクが乗っかっていき、いつも慎重すぎて及び腰になる相澤の手を引いてくれる……
そんないいコンビだった三人ですが、そのインターン先でヴィランとの戦いに挑み……その中で白雲は命を落としてしまいました。
A組の3バカ、などと呼ばれたこともある、三人。
失った傷痕はあまりに大きく、今でも引き摺っていないわけがない。
そんな白雲が……「黒霧」と名付けられた脳無となっている……!!
相澤もプレゼントマイクも、その現実をやすやすと受け入れることなどできるはずもありません。
全てはあのオール・フォー・ワンが、暗躍し、優れた個性を持つものの集まる雄英の生徒の死体をすり替えていたようなのですが……
それはむしろ、オール・フォー・ワンの底のない悪意ゆえの行動でしょう。
……ですが問題はそこではありません。
塚内たちが二人をここに呼んだ理由。
それは……かつての親友であった相澤たちならば、白雲の遺体に残っているかもしれない何かを呼び覚ますことができるかもしれない。
そんな、映画や漫画でしかありえないような、「奇跡」を期待してなのです。
ですがグラントリノは言います。
根拠があれば、「奇跡」は「可能性」になる。
確かに依然エンデヴァーが倒したハイエンド脳無は、明確な人格をもっていました。
分析の結果その人格は、脳無の元となった素体の人格に近いものだったことがわかりました。
とはいえ先ほども言ったように、肝心な話題に入ると黒霧はその意識を落としてしまいます。
黒霧が口を割るのは、それこそ奇跡と言えるような……乏しい乏しい、蜘蛛の糸ほどの可能性しかないのでしょう。
ですがその可能性を手にすれば、一気にヴィラン連合の中核に迫ることができるかもしれないのです!
相澤とプレゼントマイクは……
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黒霧の深い闇の中に潜んでいるかもしれない、白雲朧の「執着」を呼び覚ます挑戦をするのでした!

会話が始まっても、黒霧から出てくるのは死柄木を心配する言葉ばかり。
口調も当時の白雲のものとはまるで違いますし、相澤の個性を使ってみてもその靄が貼れない事から、黒霧の体そのものがこの靄になってしまっていると言う事で……白雲の影はまるで見当たりません。
ですが死柄木の世話が全く苦にならない、放っておけないタチなんだ、という彼の言葉は、白雲の世話焼きな性格を思い起こさせます。
俺が拾えないとやり過ごした猫を、迷わず拾ってくるような奴だった。
中途半端で二の足踏んでばかりだった俺を、いつも引っ張ってくれた。
お前はいつも明るくて、前だけ見てた。
後先なんて考えず……!
死んじまったら、全部終わりだってのに。
今まで何の反応も見せなかった黒霧は、そこで初めて、ほんのわずかな反応を見せました。
相澤はそんなことに気付かず、話を続けます。
俺、山田と先生やってるよ。
生徒に厳しく当たって来た。
お前に……お前のような誰かを引っ張っていけるヒーローに、長く生きてほしいから!!
……生徒を除籍した回数が他に並ぶもののいないほど多いと言う相澤。
ですが実際は、除籍した生徒を復籍させる権限ももらっていまして。
自己犠牲と命を捨てることは胴着じゃない、はき違えた若者に望み通り一度「死」を与える。
その上で更なる向上に努めさせる……
そう、相澤の除籍は、命を捨てることを厭わない若者に、その無謀な蛮勇を改めさせるためのものだったのです……!!
相澤がそうなったのは、ほかならぬ白雲の死があってこそ。
相澤が最も後悔しているであろう、失われた命はもう取り返しがつかないのです。
……が。
相澤はゴーグルを脱ぎ捨て、言いました。
白雲。
でもまたお前がそこにいるのなら……
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なろうぜ……ヒーローに!3人で!!



と言うわけで、黒霧の思いがけない正体が明らかになった今巻。
相澤の親友であった白雲の執着を呼び起こすことができるのか。
相澤の涙と、初めて面と向かって心から話すことのできた夢。
それが黒霧の中に眠っている、白雲の心に届くのでしょうか!?
深く刻まれた相澤の過去の傷は、この邂逅を経てどうなっていくのでしょうか……!!

そんな相澤と白雲と、あとプレゼントマイクこと山田の学生時代の活躍はスピンオフ作品の一つである「ヴィジランテ」第8巻と第9巻にわたって描かれておりますので、そちらも合わせて読むと一層このエピソードへの思い入れが深くなること間違いなしです!!

そんな相澤のエピソードの前後も忘れてはいけません。
前半ではエンデヴァーの下でのインターンの決着が描かれておりますが、そこでは出久達の活躍や成長のみならず、轟家とエンデヴァーの物語の進展も描かれることに。
そして後半ではいよいよ幕を開ける超常解放戦線とヒーローたちとの決戦までの軌跡が描かれることに!!
いよいよクライマックスへと向かっていく本作、ますます目が離せませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!