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今回紹介いたしますのはこちら。

「じけんじゃけん!」第7巻 安田剛助先生 

白泉社さんのヤングアニマルコミックスより刊行です。


さて、百合子先輩と戸入をはじめとしたミス研の日常を描いていく本作。
ところが前巻で、ミス研は同好会だからということで部室として使っていた空き教室が使えなくなってしまって……?


部室を追われてしまったミス研ですが、その部室を追われた原因となるちょっとした学校のトラブルは解消されました。
ですがミス研はあくまで同好会ですから、「部室」として使う許可をもらうことはできないまま。
部室を使いたければ、正式な部にならなければなりません。
そのハードルは案外低くて、部員が4人いて、申請すればいいだけ。
実際今、ミス研の会員は3人で、「会員候補」であるアイリスがいます。
アイリスを会員に昇格させて、
申請すればそれだけで事態は解決するのですが……
百合子先輩は半ば意地になって、アイリスの正会員化をてこでも認めないのです!!
そこでまあいろいろ周りの忖度といいますか、いろいろありまして、なんとかアイリスを正会員化するための最終試験が行われることになったのです!!

その戦いは、広島駅前で幕を開けることとなりました。
試験の内容は「追いかけっこ」。
シンプルではありますが、運動能力で考えればアイリスが百合子先輩に勝てるわけがなく……
そこで、アイリスは「市内」ならどこでも逃げていい、という広範囲での追いかけっこを行うことになったのです。

早速勝負は始まり、駆け出していくアイリス。
戸入はいくらなんでも「市内」どこでもというのは範囲が広すぎなんじゃないか、と百合子先輩に心配の言葉を投げかけるのですが、百合子先輩は全く心配をしておりません。
市内は確かに広いが、ワープできるわけでもない。
スタート地点からの移動手段は限られるし行ける場所も絞られる。
アイリスの思考を読んで、その絞った場所のどこに向かうか、そこからどこへ行くか……糸を手繰り寄せるように読んでいけばいいだけ。
……それでも「市内」は1000平方キロメートル弱の面先があるはず。
流石に推理だけですべてがわかるとは思えない、もし秘策があるとすればどうなるか、と口には出さないものの、戸入の心配はなくならないのです。
百合子先輩は柔軟運動を入念にしながら、もし自分が心理戦に負けるとすれば、野薔薇くらいだろうけど、今回は野薔薇の手助けを禁止しているから、と更に負ける要素の無さを上げて行くのですが……
そこに、ライダースーツに身を包んだ、バイクに乗った謎の女性が参上します!!
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どう見てもライダースーツを着ただけの野薔薇ですが、彼女は「通りすがりのギャルライダー」と名乗り、アイリスを連れてそのままどこかに走っていってしまうのでした!!!

このままバイクで逃げ回り続けられれば、流石に勝ち目はゼロでしょう。
ですが百合子先輩はそれはない、と断言します。
何故ならアイリスが本当に勝負して勝ちたいのは百合子先輩ではなく、戸入だから。
今まで試験で一杯食わされ続けてきた戸入と勝負して買ったうえで正会員になりたかったのに、相手が百合子先輩になったことが不満で……その戸入に何も認められもしないで勝負を終わることはアイリスのプライドが許さないでしょう。
さらに、野薔薇もアイリスが何もせず勝利を掴み取ることはよしとしないはず。
実際はともかく、なるべく公平に見える形で勝負させてやろうとするでしょう。
そこで百合子先輩は、公平に見える場所……スタート地点に戻ることにしたのです!

百合子先輩は、広島駅は市内の端、逃げ場はもうほとんどない、野薔薇のアイリスへの愛があだになった!と絶対の自信をもって広島駅へと戻ります。
ですがそこで戸入は、とうとう彼女に突っ込むのです。
先輩が考えている「市内」は妙に狭くないか?と。
全然ピンと来ていなかった様子の百合子先輩ですが、そこで比較的最近広島に戻って来た戸入と、ずっと城島に住んできた百合子先輩の認識の違いがあらわになります。
広島に住んでいるものからすると、「市内」と言うのは広島市全体ではなく、栄えている本通り周辺を指すことが多いんだそうで。
百合子先輩はその区域内のことを指していたつもりだったのですが……
「市内」ならばどこでも逃げていい、と言ったからには、広島市のどこに逃げられても文句は言えない、ということに今まで気がついていなかったのです!!
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広島市内は相当広いから、本気で逃げられたら絶対に探せない!!
今になって青くなってきた百合子先輩、アイリスに絶対電車に乗られないようにしないと……慌てて駅へ向かいました!!
するとちょうどそこには少し前についたよ、という感じの野薔薇がおりまして……
そして、ひまわりと一緒にいる、見慣れた綺麗な金髪を見つけるのです!!
逃げろアイリス!と叫ぶ戸入!!
ですがその声もむなしく……百合子先輩はすかさず駆け寄り、その手をつかんだのでした!!
これで勝負は決した……と思われたその時、その金髪がずるりとずれ……
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友人である茉莉花の顔が現れたではありませんか!!
と、その瞬間構内に、電車のドアが閉まるアナウンスが流れます。
とっさに視線をホームに移すと、今まさにドアのしまった電車の中にアイリスの姿が……!!
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やられた!!
思わず叫ぶ百合子先輩!!
ここに来てまんまと電車に乗って見せたアイリス……!!
最終試験、このまま決着となるのでしょうか!?
それとも……!!



と言うわけで、クライマックスを迎える本作。
ミス研の部室が失われ、その部室を取り戻すために戦う相手が百合子先輩、というちょっとややこしいシリーズが繰り広げられていきます。
百合子先輩&戸入Vsアイリスとその他、という構図になっているかと思われているこの戦いですが、実際は戸入もアイリスを正会員にしたい側。
事実上百合子先輩VSミス研となったこの戦い、この後も攻防のある激戦(?)となって行きます!
そして最後に舞っているのは、そう来たか、という驚きの結末!!
その結末は、是非とも皆様の目でご確認ください!!

そしてこのシリーズが終わるといよいよ最終回です。
めでたく部室を取り戻したミス研ですが、もともとこのミス研は戸入と百合子先輩で始まった研究会です。
そしてめでたく部となった最初の活動も、二人で行われて……!?
くっついてもくっつかなくてもおかしくない気がする戸入と百合子先輩。
最終回(とカバー下に描き下ろされたおまけ)で、二人はどうなるのか!?
これもまた必見のフィナーレとなっております!!

……ちなみにひまわりがものすごく頑張るお話なんかも収録されておりますので、そちらもお見逃しなく!!!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!