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今回紹介いたしますのはこちら。

「狂蝕人種」第2巻 室井まさね先生 

竹書房さんのバンブーコミックスより刊行です。


さて、南国の離島、ボルカ島にバカンスにやって来た風戸達。
ですがそこで、見るも恐ろしい怪物に襲われてしまいます。
ほとんど不死身で、人間を簡単につぶしてしまうほどの力を持ち、その上感染して人間を同じ怪物へと変えて行く。
その怪物が蠢きだした孤島は、瞬く間に軍によって封鎖されてしまい……
6人はこの島から脱出できるのしょうか……?



風戸は木高とともに、島中をうろつく兵隊の目を盗んである場所へと向かっていました。
それは一艘の船。
まだ平和だったころ、乗せてもらった船です。
船の主であるエリオに何とか接触すると、こっそり船室の中へ入れてもらいます。
そして、本土へと連れて行ってもらえないかと持ち掛けようとするのですが……
話題を振る前に、エリオの方から本土に連れて行ってくれと言う話なら断る、ときっぱり言われてしまいました。
やはり考えることは皆同じなようで、こうしてエリオにこっそり本土に連れて行ってくれないかと持ち掛けてきたのは、風戸達で3組目だと言うのです。
帰りの飛行機はしあさってで時間がないからとお願いする風戸なのですが、エリオは聞く耳を持ちません。
他を当たれ、そんな無謀なやつはいないだろうけど、とあしらってくるのでした。
確かに下手に船を動かせば、今周りをうろついている兵隊たちに何をされるかわかったものではありません。
彼らからすればあまりにリスクが大きすぎるのでしょう。
……ですが、風戸達には、時間も、他に頼る人もいません。
代金はそっちの言い値で良いのでお願いできないか、と食い下がってみると……
エリオはその言葉を待っていたのでしょうか。
微かに降格を上げ、そしてひとり「5万ペナ」なら乗せてやる、と言いだしました。
5万ペナとは、日本円に換算するとおよそ100万円……!!
6人で600万など、いくらなんでも払えるはずがありません。
思わず日本語で払えるわけないだろ、と叫んでしまう風戸なのですが、だからと言ってここで諦めるわけにもいかず。
木高は、後払いではダメか、絶対に払うから、とお願いしてみるも、やはり信じてはもらえません。
そこで木高は、これで信用してもらえないか、とあるものを取り出しました。
それはかなりのセレブでなければ持つことのできない、ブラックカード!
木高の親御さんは結構なお金持ちなのですが、お父さんがいざというときに使いなさい、と持たせてくれたのだとか。
お父さんは(おそらく冗談で)1000万までなら使っていいと言ってくれたとのことで……
お金を払う経済力があることはこれで証明されました。
エリオは、今夜の0時に来い、と約束してくれるのでした!!

指定された時間に、ひっそりとしたビーチにやって来た六人。
エリオは流石日本人、時間ぴったりだ、と一同を迎え入れてくれました。
ここはもう使われていない桟橋とのことで、人目につかない港と言えばここしかないのだそうです。
高い金をとることに釈然としないメンバーもいたのですが……
それでもこうして約束を守ってくれ、本土に連れて行ってくれようとしているだけでも今はありがたいところ。
一同はそっと船に乗り込み、そして港を発つのでした。

監視に見つからないようにするため、帆も張らず出来る限り静かに出港した一同。
兵隊に見つかることもなく、順調にうみを進んでいくのですが……しばらくすると、うみの中に人影が見えます。
……溺れているのでしょうか……?
密かに本土に向かっている都合上、誰とも接触しないに越したことはありませんが、だからと言って人命にかかわる状況を見過ごすわけにもいかないでしょう。
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浮き輪を投げ、助け上げることにしました。
それにしても、港が封鎖されているこの状況で、こんな夜中にこんな場所でどうしたのでしょうか。
同じように船で脱出をしようとしたとでも言うのでしょうか……?
ともかく引き上げようとするエリオ。
ですがその溺れていた女性……妙に重いような。
たまらず他のメンバーにも手を貸してくれるようにこえをあげた、その時でした。
引きあげられていた女がにこりと笑い、
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巨大な口を開いたのは……!!
女はエリオの頭を丸かじりして食い殺すと、船の上へと上がってきます。
……どうやらこの女も、あの怪物と化してしまっているようです。
一同は慌てて船室の中に逃げ込むのですが、おそらく船室の鍵はエリオが持っていたのでしょう。
船室に鍵をかけることができず、風戸が押さえつけて何とか押し入られないように扉を塞ぐのですが……
扉と逆にある船室の窓の方にも
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怪物の姿が見えるではありませんか!!
怪物は二体いた……?
いや、違います。
なんとあの女の怪物が、体を変形させてもう一体分の体を作り、一体で挟み撃ちをするように船室に襲い掛かったのです!!
怪物は窓を破って船室に潜入。
そちらの対応をしようとしているうちに扉も破られてしまい……
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狭い船室の中で、6人は追い詰められてしまうのでした!!




と言うわけで、やはりと言うべきか、脱出が失敗に終わってしまった今巻。
それどころか、狭い船室の中で怪物に追い詰められると言う絶望的な状況になってしまいました。
仮に船室から出られたとしても、この怪物は海を漂っていました。
つまり泳ぐことができると言うわけで、海に飛び込んで逃げると言うのも現実的ではないでしょう。
果たして一同はこの絶体絶命の状況からいかにして逃げ出すのでしょうか。
風戸達の決死の戦いが始まるのです……!!

そしてその後物語は次なる局面へ。
怪物の意外な弱点が判明するものの、そんな弱点など覆い隠してしまうようなとんでもない出来事が起こってしまいます。
ますますその脅威を拡大していく怪物達……
加速度的に毛県が広まっていくこの島は、このまま地獄と化してしまうのでしょうか?
怪物の恐怖は、まだまだ終わる気配が見えません……!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!