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今回紹介いたしますのはこちら。

「カワイスギクライシス」第1巻 城戸みつる先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


城戸先生は10年ごろから活躍されている漫画家さんです。
当初は四コマ漫画をメインに活動されておりまして、12年に赤塚賞の佳作を受賞し、ジャンプSQや月刊少年マガジンなどに作品を発表。
「ハッピィミリィ」「おやすみ睡魔と夜ふかしJK」などの連載をされてきました。

そんな城戸先生の最新作は、タイトル通り可愛すぎでヤバいことになる作品。
と言ってもよくわからないであろう、その内容はと言いますと……?


宇宙の散らばる数多の星を支配下に置く、帝國アザトス。
次なるターゲットは……地球です。
彼らから見ると文明レベルの低すぎる地球は、統治する価値もないから毒霧で生物を一掃して、資源だけ持っていこうなどと言う声もあったのですが……
どんな星にも文化、思想、歴史……なんらかの個性があり、そこから得られるものもあるだろうから、と現地調査を実行することにするのでした。

やって来たのは超有能な天才、リザ。
街を歩いては見たものの、やはりこんな文明レベルの低い星に価値なんてないだろ、と考える彼女。
もうめんどくさいからこの辺り一帯を超重力プレスでたいらにしてぇ、などととんでもないところまで行ってしまうのですが……そんな彼女の苛立ちを感じ取ったのか、同僚のいったんお茶でも飲んで落ち着けよ、という言葉は受け入れることにしたようです。
彼女の目にたまたま止まったのは……猫カフェ。
「猫」ってなんだろう。
宇宙人である彼女が知らないのも無理はございませんが、いざその猫カフェ内に入ってみますと
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彼女の動きはピタリと止まってしまうのです。
リザの様子がおかしいことに気が付いた店員が声をかけると、ようやく動き出し、彼女は店員に尋ねます。
この生物は何だ、「猫」か。
彼女のただならぬ雰囲気を察知した店員、猫カフェと知らずに入ってしまったのなら申し訳ないけど他のお店に、と声をかけるのですが、リザは問題ない、とフラフラ中へ入って行きます。
そして猫がくつろぐ空間の中で腰を掛けると……彼女の頭はいまだかつて感じたことのない、すさまじい感情に支配されてしまうのです。
何なんだこの生物、ありえない。
こんな生物……こんな……
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可愛い、可愛すぎる、ありえない、生物としての限界を超えている!!
何なんだよこのフォルム、柔らかそうな体。
鳴き声やべぇ、脳が解かされる……
過去観測した宇宙生物66兆種超、どれとも比較にならない、次元が違う。
「宇宙三大可愛い生き物」がただのラクガキに思えてくる……!
またまたリザが(必要以上に)緊張していることに気が付いた店員は、猫が苦手なんですかと尋ねてきました。
そこでリザは、この星にとって特別な生き物であろう「猫」について情報を収集しようとたずねてみることに。
子の猫と言う生き物について教えてくれ、何も知らないんだ、宇宙人だから。
物凄くどストレートに尋ねてみるリザ。
どうせ信じないだろうし、信じたところで何もしようがないだろう、と考えて素性まで明かしたリザですが……店員はちょっとノリが変なお客だと思った様子。
宇宙人って初めて見ましたよ、と合わせてもくれまして、彼がいい人だと言うこともわかり案した。
そんな彼が教えてくれる情報にそうひどい嘘はないでしょう。
早速猫と言う生き物は何匹くらいいるのかと尋ねてみますと……店員は、日本だけでも1000万匹以上いるらしいし、年々飼育数も増えているらしい、と教えてくれます。
その数はもちろんの事、「飼ってもいい」と言う事実にまた仰天するリザ。
冗談だろ、家に帰ったら猫がいるとか天国過ぎるだろ、そんなやつが国中に?
仕事も任務もすべて投げ捨てて猫と一緒にいたくなる、その誘惑どうやって振り切ってんだ、どうなってんだよ地球人!!
……そんなことを考えていると、リザが昔勝っていたペットのことを思い出します。
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国で一番人気のペットだった「ペニラ」。
自分のペニラが世界一、宇宙一可愛い。
そう考えていたはずなのに……
今となっては、そう考えるのは到底無理。
こんな本物のカワイイを知ってしまったら、私が今まで抱いていたカワイイは何だったんだ、もうペニラのことを可愛いって思えない!!
生物としての完成度が違いすぎるんだよ!!

猫の可愛さに絶望してしまうリザ。
そんな時に、同僚から連絡が入り、何か面白いものが見つかったかと尋ねられます。
今まさに現在進行形ですごいものが見つかっていますが、この猫と言う生き物の凄さはリザたちの常識をはるかに超越していますから、いきなりこんなものを見せては同僚たちもどうなってしまうかわかりません!!
特に動物好きの艦長がどうなってしまうかわからないため、とにかく隠し通すことにするのです!!

なんとかかんとかごまかし、今日はここを離れ、明日以降また調査を続けることにしたリザ。
なのですが、席を立とうとしても立つことができないのです。
それはなぜか……
本当はもっと猫と一緒にいたいから!
でもこれ以上一緒にいたら、ここから一生離れられなくなってしまう……!!
猫カフェ側からすると勘弁していただきたいことを口走るリザ。
そんなリザの気持ちも知らず、猫は構って欲しさに彼女の太ももに前足を乗せてくるのですが……
リザはそこで、猫の肉球の存在に気がついてしまいました。
足の裏、
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可愛すぎる……
とうとうリザは、可愛すぎによって意識を失ってしまうのでした……



と言うわけで、猫の可愛らしさにやられてしまう宇宙人を描く本作。
この後もリザはずぶずぶと猫の沼へとはまって行きまして、みるみると深みにはまってまいります。
さらに恐ろしいことに、この星には猫と人気を二分する生物である犬、そしてその他にもハムスターやらパンダやらと言った人知を超えた可愛い生き物がまだまだ存在していて……!!
果たしてリザは使命を果たすことができるのか!?
猫と言うそこのしれない深淵から逃れ出ることができるのでしょうか……!?

と、そんなリザの頑張る姿が赤裸々に描かれていくわけですが、可愛いのが猫だけではないように、宇宙人もリザだけではありません。
この猫を見た際のおかしな反応はリザ特有のものなのか、同僚たちも同じように反応するのか?
そんな見どころも用意されております!
宇宙人仲間たちがずぶずぶとはまっていくのか、あるいは他の地球排除派との争いになっていくのか?この後物語はどう言った方向に進んでいくのかも見どころ!!
そんなことを考えずに、ただただ猫たちの可愛らしさと、それに悶えるリザの反応を楽しむのもまた一興ですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!