今回紹介いたしますのはこちら。
「皆殺しのアーサー」第2巻 古閑裕一郎先生
講談社さんのヤンマガKCより刊行です。
さて、暴虐の王・アーサーに仕えることになったモルドレッド。
アーサーはあまりに残虐非道で人の道に悖る男ですが、ブリテン島を混乱の渦に落とし込むサクソン人に対抗できるのはそのアーサーだけ。
モルドレッドはアーサーの直属の配下である「円卓の騎士」に入り、サクソン人を絶滅させるための戦いに身を置くのでした。
激しい戦いを終え、アーサー王の御ひざ元、キャメルフォードにたどり着いたモルドレッドたち。
激戦を潜り抜け、ようやく一息つける。
そう思ったその時、兵士たちからこんな声が掛けられました。
これより円卓の騎士は、軍議にご参加されますよう。
……深手を負い、体力ももはや限界間近。
出来ることならすぐ手当を施し、休みたいところです。
ですが、確かランスロットはこう言っていました。
王の命令を遂行できぬものは、ゴミと同じだ。
……ここで軍議に出なければ、どんな扱いを受けるかもわかりません。
モルドレッドは痛む体に鞭打ち、努めて平然とふるまいながら軍議の行われる場所へと向かうのでした。
軍議はアーサー王が中心に鎮座し、それをぐるりと円卓の騎士が囲むと言う異様な場で行われました。
実際に軍議を進行するのはランスロットのようです。
今回の議題は、グロスタシア城への侵攻についてです。
二ヶ月前から攻めていると言うのに未だ落城できないこのグロスタシア城、今回の軍議でどうするかを決めたいようです。
そこでまず行われたのは……「神へ尋ねる」こと。
ほどなくすると、大勢の従者らしき男を従えた女がゆっくりと入場してきます。
儀式なんてやめて、全員好き勝手に殺しゃいいんだよ。
お前もそう思わんか?
そう話しかけてきたその男ですが、モルドレッドの意見を聞こうと言うつもりはないようで。
とはいえあのドルイドってやつは古き神の声が聞こえる一族なんだと。
つまりあれは、神と我らを繋ぐ先導者ってわけだな。
名はマーリン、アーサー王を導く偉大なドルイド様だ。
素肌にたくさんのアクセサリーと、異様に長いローブ、目を引く巨大な杖。
見るからにただものではない雰囲気を身にまとったマーリンは……盃に入れられた敵将の血を口に注ぎ入れました。
予言……本当に神の力を使えるのか?
モルドレッドが固唾をのんで見守る中、マーリンは「予言」を始めました。
グロスタシアの鉄壁の守備を打ち破りし英雄となるは……
盾の騎士、ケイ卿。
太陽の騎士、ガウェイン卿。
湖の騎士、ランスロット卿。
彼ら三名の騎士は、グロスタシアの城を落とす運命にある。
実現は、十四日後。
軍議とは名ばかりで、実際は出される予言の通りに行動するだけ、という事なのでしょうか。
それにしても、この予言はモルドレッドにとっては厳しいもの。
少しでも体を休めたいと言うのに、14日後に決着と言うことはすぐに出発となるでしょう。
それもここまで二か月間陥落していなかった、堅牢な守りを誇る城を攻め落とす……?
絶望が顔に出てしまっていたのでしょうか。
先ほどの男が、モルドレッドにまた声をかけてきたのです。
お前、真っ先に死にそうな顔してやがるな。
あのマーリンの予言は作戦の成功を保証してくれるわけじゃないぜ。
俺たちが実現させんだよ。それが円卓の戦だ。
……マーリンの予言は、本当に単なる儀式でしかないのでしょう。
どんな無理に見える作戦でも、円卓の騎士が無理を通して実現させてきた。
それが、アーサー王伝説の正体……!!
男は好きなだけしゃべると気が済んだのでしょうか、席を立って軍議の場を離れようとします。
ですがそのわかれぎわ、男はこう言ったのです。
続きは戦場でな、と。
続きは戦場……と言うことは……
そこでようやく、男は自ら名乗ったのです。
俺はガウェインだ。
お前ランスロットのとこの新入りだよな?
あの他意は一番入れ替わりが激しいんだ、気をつけろ。
とはいえ円卓はどこも似たようなもんだ。
あの王の下じゃ俺たちは使い捨て。
役立たずから順に死んでいく。
お前は黙って殺されるために来たのかよ。と言うわけで、帰還後即次なる戦いへ駆り出されてしまうモルドレッド。
しかも次の戦いは、今までの戦いよりもさらに厳しくなりそうです。
先行している盾の騎士・ケイが二カ月かけても落とせなかった城を二週間で落とせと言うのですから!
ケイの実力がどの程度のものかはわかりませんが、円卓の騎士、それも体を任せられている聖騎士に選ばれているからには生半な実力ではないはず。
だと言うのに、いくらランスロットとガウェインの二人がかりとはいえ、二週間で落とせるものなのでしょうか……?
そしてそんな困難な任務で、怪我が癒えきっていないモルドレッドはその実力を示すことができるのでしょうか!?
アーサー王の前では、実力こそが全て。
その実力が示せなければ、モルドレッドとてゴミのように撃ち捨てられてしまうのです……
そんな新たな戦いとともに、様々な事実が明かされていきます。
グロスタシアの強固な守りを支える城主とは何者なのか。
居城でふんぞり返っているアーサー王の凶行とは?
ガウェインの実力は、そして彼の背負っている定めとは……?
次々と明かされていく事実、そしてギリギリの大戦。
今後もますます目の離せない展開となって行きそうです!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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