3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです!

カテゴリ: 外薗昌也

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本日紹介いたしますのはこちら、「インソムニア」第1巻です。
アスキー・メディアワークスさんの電撃ジャパンコミックスより刊行、電撃コミックジャパンにて連載されています。

作者は外薗昌也先生。
外薗先生とその著作「赤い妹」の紹介は、09年6月18日の記事にて紹介しております。
よろしければ併せてご覧くださいませ。

さて、本作はホラーの短編が集められた作品となっています。
様々な恐怖が描かれている本作の中、まずは全ての始まりとして描かれる「カイタラシヌ」を紹介したいと思います!

その日、漫画家の外薗先生と、アスキーの編集者藤原は打ち合わせをしていました。
藤原はどうしても外薗先生に怪談漫画を描かせたいようで、積極的に怪談漫画を描こう描こうと推してきます。
外薗先生、実際に怪談が大好きなようで、そういう漫画を描くことに関してはわりとやぶさかではないようですが、「怪談作家」というイメージが定着するのはいまひとつ嬉しくないようで……
その企画を最初はやんわり断ろうとするのですが、とにかく藤原さんはドライな子が増えている今こそ不思議で恐ろしいものを描くべきだ!って言うか自分が読みたい!!とごり押しし、半ば強引にその約束を取り付けてしまうのでした!

机に向かってさっそく怪談漫画を描き始める外薗先生。
「赤い妹」も好評だったし、このまま怪談漫画家になるのも悪くないかなぁなどと考えながら筆を進めます。
そのとき、背後から突然「カイタラシヌ」と言う声が聞こえてきました!
ばっと振り向いてもそこには誰もおらず……家族が声をかけたりしたわけではないようです。
声の感じはどうも子供の声だったようですが……
「描いたら死ぬ」と言う言葉に言いようのない不安を感じる外薗先生。
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ふとペンを持った右腕を見てみれば、いつの間にか右前腕の腹側に奇妙な傷が付いているのです。
一体これは何なのか?
疑問と恐怖を感じながらも、外薗先生は作品を描き上げるのでした。

完成した原稿を抱え、アスキーへと向かう外薗先生。
ですがその心はなぜかざわつき、どうしても落ち着かないのです。
そのとき、なんとなしに視線を向かい側の座席へとやると、そこに少女が座っていました。
その少女が不思議と気になってしまう外薗先生ですが、ちょうどそのとき目的地に電車が到着。
慌てて電車から降りた外薗先生、もう一度あの少女の方を振り返ってみるのですが……そこに薗少女の姿はなくなっていたのです。
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編集部をたずねると、いつも時間にきっちりしている藤原がまだ出社していないとのこと。
外薗先生は談話室に通され、そこで藤原を待つことにします。
何をするでもなく座っていると、その視界の隅に先ほどの少女がよぎるではないですか!
一体何故こんなところに?慌てて少女を追いかける外薗先生。
すると少女は、編集者があわただしく仕事をしている部屋の中で、机から机へと飛び回って遊んでいるのです!
しかも誰一人としてそれを注意しないどころか、気にすら留めていない様子。
いや、これは気に留めていないわけではなく……見えていないという表現がしっくりきます。
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自分しか見えていない、生きている人間じゃない。
もしかしたらこの子があの「カイタラシヌ」と言う言葉を投げかけてきたのか?
そんなことを考えていると、その場にいた編集者から声をかけられました。
不意打ちにびっくりした外薗先生は思わず声を上げてしまいます。
その一瞬目を放した隙に、少女の姿は忽然と消えており……
驚いた外薗先生ですが、声をかけてきた編集者はもっと驚く発言をするのです。
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藤原が事故に巻き込まれた、と!!

またまた慌てて藤原を見舞うと、わりと元気な様子。
横断歩道で右折者に足先を踏まれてだけで、あさってには退院できるそうで。
あっさりした様子の藤原ですが、少女の霊を見たりカイタラシヌと警告されたりした外薗先生は正直ビビッております。
この企画やめないか?そう言おうとした所、藤原はにやりとして
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「女の子を見たんでしょ?」と言ってくるではないですか!
なんとあの少女の霊を、藤原も見ていたのです!
それでもなお困ってると言いながら企画を進めようとする藤原。
この企画が少女を呼び寄せたのか?編集部にもともといたのか?
謎は深まるばかりですし、この少女の霊が何かしているとも言い切れず……
断固として企画を断ることもできたはずですが、外薗先生は結局この連載企画を受けることにしてしまいました。
それはやはり、この少女や「カイタラシヌ」の真相を知りたいと言う想いゆえ。
もくもくと漫画を描き続ける外薗先生ですが、気が付けば再びつけた覚えのない傷が体についており、部屋の「何か」の気配も強くなる一方。
外薗先生は、無事この連載企画……「インソムニア」を終わらせることができるのかと言う不安を抱えながらも、その手を止めないのでした……
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と言うわけで、その呪われた連載企画である本作。
このプロローグ的な話、どうやら完全なフィクションではない様で……
本作を描いている間にも外薗先生本人や関係者の方なんかに様々なトラブルが起きているガチでいろいろアレな背景を持っているようです!
何せ本作、発売前の時点でネット上なんかの様々な場所で発売予定時のタイトルを揃って「イムソムニア」と誤植されていた、というこの記事を書いている今も確認できるトラブルがあるんですからホンモノかもしれません!

ちなみにこのあとは記事で紹介したような外薗先生周りで起こる怪異や、得体の知れない霊、怪物、はてはUFOに至るまで様々なエピソードが掲載。
あの「赤い妹」の続編的ストーリー、「赤い妹事件」という注目のエピソードも収録されているのです!
さらにこの「インソムニア」本編の他、一号だけ出版された近代麻雀増刊「サムケ」に掲載された作品も収録!
2号以降の出版がされず、様々な作品がお蔵入りになってしまいそうなサムケからのサルベージはかなり嬉しいもんです!!

虚実織り交ぜた恐怖の作品集、「インソムニア」第1巻は全国書店にて発売中です!
あの話題作、「赤い妹」のその後も読める本作。
これまた本当だったらおっそろしい、「外薗昌也の怖すぎるこぼれ話」もオマケとして収録され、かなり本気で怖がらせに来ている内容となっていますよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!



インソムニア(1) (電撃ジャパンコミックス)
アスキー・メディアワークス
2011-09-14
外薗 昌也

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本日紹介いいたしますのはこちら、「赤い妹」です。
竹書房さんのバンブーコミックスマーブルセレクトにて刊行されました。

作者は外薗昌也先生。
外薗先生は80年に月刊チャンピオンでデビューした漫画家。
師は藤原カムイ先生で、デビュー作はギャグ漫画、その後ファンタジー漫画を経てSF漫画と様々なジャンルを描いていらっしゃいます。
代表作は「犬神」などで、近年では「ガールフレンド」等漫画原作も手がけていらっしゃいます。

さて、こちらの作品はホラー漫画の短編集です。
収録されているのは5編。
わけあり物件にまつわる恐怖を描いた「いわくあり」、
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ただそばに立つだけのストーカーのような幽霊に悩まされる男の物語「死者といっしょ」、
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とある団地で自殺があるたびに現われる野次馬達の真実の姿があばかれる「mob【群集】」、
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使われていないはずの古びた病棟に住む謎の少女と若い研修医の出会いから始まる事件を描く「イノセント」、そして表題作の「赤い妹」です。
基本的に休刊となったコミックマーブルに掲載された作品なのですが、「イノセント」だけは00年にアフタヌーン増刊に掲載された作品で、少々古め。
ですがホラーテイストの作品なので統一感は崩れていません!

どれもがオリジナリティ溢れる恐怖が味わえるのですが、やはりここで紹介したいのは「赤い妹」でしょう。
なんと言ってもこの作品、外薗先生自身が体験した恐怖が基になって作られているのだそうです!!

主人公はレンタルビデオ店のアルバイト。
一度でいいからオバケを見てみたいと嘯く主人公に、店長は一本のビデオを貸してくれました。
それは「赤い妹」と言う自主制作映画で、それを見た人物の元には「妹」がやってくるんだそうです。
なんだかよくわからない説明ですが、本当に妹がいる人物がそのビデオを見ると確実にそれが現われるそうで。
主人公はビデオを押し付けられて店長に後でレポートするように言いつけられてしまいました。
気は進まないもののとにかく深夜自宅でビデオを見る主人公。
「赤い妹」は意外にもなかなかいい出来で、主人公に故郷にいる妹に会わせたくなる様な魅力的な作品でした。
余韻に浸っていると主人公の部屋のドアを乱暴に叩く音がします。
サークル仲間か何かがふざけて押しかけてきたのかとドア越しに声をかけると、
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そのドアの向こうにいたのは「妹」だったのです。
遠い田舎に住み、東京に出てくることなど無かった妹が予告も無く突然、しかも深夜にやってくるなど考えられません。
戸惑っているとその「妹」は更に乱暴にドアを叩き、中に入れろと高圧的に命令をしだします。
いったい何者なのかと窓から外をうかがうと、そこにいたのはやはり紛れも無い妹でした。
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全身が真っ赤ですが。
その窓から手を伸ばし、強引にドアを開けようとする妹。
慌てて力いっぱい窓を閉めると、手首がちぎれ落ちるではないですか!
あまりの恐怖に動けないでいると、妹は「手を返して」とつぶやきながらいずこかへと消えて行きました。
しかしちぎれ落ちた手首はその場に残っています。
どうしていいかわからないその時、妹からメールが届きました。
本文は無く、一枚の風景写真が添付されたているだけのそのメールは、主人公の田舎にあるとある場所を示していました。
妹に連絡を取ろうとしても電話は通じず、不安に刈られた主人公は急遽田舎へ帰ってその写真の場所へと向かいます。
そこにいたのは……!!
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というお話。
ビデオ云々、メール云々は流石に漫画化向けの脚色のようですが、「真っ赤な妹の突然の訪問」は事実であると発言している外薗先生。
その時は怖くてコタツに潜り込んでいた(その時テレビではイデオンが流れてたそうな)と言うのですが……
ネタ、ですよね……?
マジなら相当恐ろしいんですけど……
とにかくこのお話に代表されるように、得体の知れない恐怖が淡々と描かれた作品の詰め合わせとなっています。
表題作以外もかなり逝けてるイケてる作品ばかりなので、ホラー好きなら避けて通れない一冊ですよ!
また、なんかよくわかりませんが開いているページには出し抜けに意味不明な落書きと心霊写真が掲載されており、オマケページにも得体の知れない恐怖が漂っている徹底振り!!
さすがベテラン漫画家だぜ!!

あなたにも今すぐ襲い掛かりかねない身近に潜む恐怖を描く、「赤い妹」は全国書店にて発売中です!
夏の暑さもはだしで逃げ出す涼しさをあなたも味わってみませんか?
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


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竹書房
外薗昌也

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