3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

カテゴリ: バクマン。

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本日紹介いたしますのはこちら、「バクマン。」第15巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行、週刊少年ジャンプにて連載されています。

作者は小畑健、大場つぐみ両先生。
今までの本作は「バクマン。」のテーマで紹介をまとめていますので、あわせてご覧くださいませ。

さて、ネット上で多くの人と話し合って作品を作り上げると言う、商業誌で個人名義で発表する作品としてはじゃどうな手段でジャンプに殴りこんできた七峰。
ファンであり、ライバル視していた亜城木夢叶の「PCP」に照準を合わせて連載を続けていた七峰ですが、彼の思惑とは裏腹に徐々に人気は下降。
もはや打ち切り候補に挙げられてもおかしくないレベルにまでなり、あせり放題あせる七峰。
そんな彼が追い詰められた末にひねり出す作戦とは……!?

七峰が考えたのは、なんと「PCP」のネタを盗んで先回りしてやる、というあんまりにもあんまりな作戦でした。
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じゃあそんなことをどうやって実現するのか?と言えば、担当の小杉にこっそり見てきてもらうように頼む、というこちらも苦し紛れなもの。
編集部では既に七峰の漫画作成方法が一部に知れており、その上人気も下降線と見限りムードなのですが、小杉だけはその限りではありませんでした。
できることなら七峰の目を覚まさせ、正攻法の漫画制作に取り掛かりたい。
そんな彼の真摯な思いも知らない七峰ですが、そんな七峰の望みを小杉は受け入れるのです!
ただ、当然こっそり原稿を覗いてネタを盗用することなどさせません。
しっかりと本人を含めた各所に話を通した上で、「PCP」がやる予定のネタの概要だけ教えてもらい、同じネタを同じ号で描き競わせる、と言う形にしたのでした!!
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同じ号ならば人数の利もあるから負けるはずがないと自信を漲らせる七峰。
ですが、そんな状態に陥ってもシュージンは一切慌てていないのです!
相手はいくら今は大不評連載中の作品とはいえ、連載開始直後は好調だった作品。
それほど油断はできないはずですが、その真意とは……?

そんな戦いを終えたあと、サイコー達にまたも思いもよらないトラブルが降りかかるのです。
何気なく見ていたテレビでいきなり報道されたニュース。
そこでなんと、「銀行の金庫に何者かが侵入し、『侵入した』とだけ書かれた手紙を置いて行く」という、「PCP」の作中ですこしだけ語られたいたずらをまねした人物が現われたのです!!
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世間から漫画に対しての風当たりは強いもの。
ニュースではいわゆる「専門家の意見」みたいなものも流れていて、犯罪を助長するような漫画だ、とでも言わんばかりの悪意に満ちた報道を繰り返しています。
下手すれば「PCP」の打ち切りにもつながりかねないこの事件を、気丈に振舞うもののやっぱりシュージンは気にしてしまっている様子。
作中でもそのいたずらを含めて「人に迷惑をかけてはいけない」と言うようなことを明言していることもあり、担当や編集長からも気にせず今のまま行けと太鼓判を押されていはいるのですが、どうしても考え込んでしまうシュージン。
頭では気にせず書こうと思っていても、どうも心の奥底で無意識にセーブしてしまっているようで……
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どうしても「犯罪」にならない完全犯罪を書いてしまい、今まであった綱渡りのようなスリリングさを失ってしまっていたのです!
そうなれば人気もどうしても落ちてしまいます。
ですが、だからと言ってすぐ今までどおりの「PCP」に戻すことができるほどシュージンは天才ではなく。
どうしても納得のいく作品が生み出せず、スランプに陥ってしまうシュージン。
その間もどんどん人気は落ちてしまい、ついには数週間連続して2桁順位にまで落ち込んでしまうのです!
続くスランプ、やまない世間から吹く逆風。
次々襲い来るトラブルに、二人はいかにして立ち向かうのでしょうか!!

と言うわけで、2人に襲い掛かるトラブルが連続する今巻。
特に模倣犯問題は明確な敵や回避方法があるものではなく、連載開始後はかなり順調だった「PCP」に対して最大の試練と言えるかもしれません。
今までの問題と違う、「頑張り」だけではどうにもならないかもしれないこの試練、どんな決着を迎えるのでしょうか?
そしてこの二つの事件の間にもうひとつ、ちょっとした事件が起こります。
本作中一番の駄目人間の中井さんにまつわるトラブルなのですが……
こちらも妙な雲行きに!
駄目駄目中井さんを待ち構えている末路とは一体!!!

アニメ第2期も開始となった「バクマン。」第15巻は好評発売中です!
続々降りかかる困難も、作品の好調さよろしく跳ね除けて行ってくれるはず!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


バクマン。 15 (ジャンプコミックス)
集英社
2011-10-04
小畑 健

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本日紹介いたしますのはこちら、「バクマン。」第14巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行、週刊少年ジャンプにて連載されています。

作者は小畑健、大場つぐみ両先生。
本作の紹介は「バクマン。」のテーマで記事をまとめていますので、よろしければご一緒にご覧ください。

さて、恋愛読みきりでの福田組決戦は蒼樹が勝利し、サイコー主導で挑んだ亜城木夢叶は4位に終わってしまいました。
それでもいつもと違う作り方での4位。
これは新たな挑戦への手ごたえを掴むには十分な結果です。
さらに平丸と蒼樹がお付き合いする運びになるなど、第13巻では漫画面以外にも意外な進展を見せたのでした。

ジャンプの新人賞に送られてきたある漫画。
いきなり連載10話分の原稿を送ってくるなど、その応募具合からして型破りなその作品ですが、内容もまた型破り。
「シンジツの教室」と名づけられたその作品は、「嘘をついたら消されてしまう」というルールの中で、1クラス全員がそのルールに踊らされ、この恐怖のゲームに陥れた謎の相手と、仲間との疑心暗鬼に襲われていく……というもの。
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その息詰まる心理バトルは、シュージンをして引き込まれる完成度の高い仕上がりで、絵の面で見ても一級品という、どこに出しても恥ずかしくない作品です。
が、少年向け漫画としてのスタンスを貫き通しているジャンプからすれば、人間同士のドロドロの心理戦や、主人公達が報われないラストなど、このままでは「ジャンプ作品」としての発表は難しい作品でもあり。
ついでに言えば、キャラがほとんど立っていない、という点も気になるところ。
そういった点も踏まえれば、少年向け+キャラ第一主義のジャンプに対しての挑戦作とも取れる漫画なのでした!

当然この作品は編集部を物議の渦に巻き込みます。
編集長をして「才能がある」と言い切らせるこの作品、間違いなく面白いかどうかで言えば面白い作品。
ですがやはりどうしてもネックなのは、ジャンプにはふさわしくない内容です。
面白いが、このままでジャンプに載せられない。
じゃあどうするんだと言うところですが、このままおめおめと他の出版社に奪われてしまったり、青年誌に紹介する……のはあまりにももったいないところ。
ならばもはや残されたのはジャンプ向きに描き直させる、という手段しかありません。
ですが幸か不幸か、「シンジツの教室」を描いた七峰という18歳の若い才能につく担当編集者は、これまたまだ入りたての若手編集者、小杉。
新人の身で素晴らしい才能の持ち主の担当になれたことは幸運ですが、同時に思い思いプレッシャーにもなるのです。
その重責は重いにも程がありますが、とにかくここはこの幸運をよろこびながら七峰に連絡をとう小杉。
電話口に出た七峰は、
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なんだか物凄い大きな声ではきはき返答する少年、と言った印象でした。
「シンジツの教室」を生み出した人物とはにわかに信じられない好青年っぷりにびっくりするものの、ジャンプにふさわしくないと言う理由で最終候補作どまりだったが、とにかくこれからのことを話し合いたいから編集部まで来てくれ、と伝えたのです。

その頃、サイコー達は新人賞の結果の報告を受けていました。
自分達が最も高評価を下した「シンジツの教室」が最終選考どまりだったことに驚くのですが、服部とともにその才能は確かであることを確認しあいます。
そしてこの作品の最大の肝である秀逸なアイディアは、シュージン本人でも「もしかしたらPCP以上かも」と言うような想いを抱かせるすごいものだと言うことも意見が一致するのです。
これをきっかけにシュージンはまたいろいろと思い悩み始めるのですが、逆にサイコーの脳裏には何かひらめくものが合った様子。
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この大型新人の登場が、サイコー達にどんな影響をもたらすのでしょうか?

編集部にやってきた七峰は、電話口での印象どおりのはきはきした少年でした。
七峰は子供のようにいろいろなことに大きなリアクションを取り、亜城木夢叶のファンだと言うことや、自分の漫画に対しての持論なんかを一方的に熱弁します。
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いろいろめんどくさい感じの七峰ですが、とにかくジャンプで描きたい、今度はジャンプにふさわしい子供向けバージョン「シンジツの教室」を描いてくる、というところで話は落ち着きました。
他社や他誌に持っていかれることもなく、無事才能を確保できた。
そんな安堵とともにその日は終わるのですが、週明けに小杉が出社してみれば、とんでもない事態になっているではありませんか!
なんと七峰が、
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最終選考に終わった「シンジツの教室」をネット上にアップしていたのです!!
いくら未発表に終わったとはいえ、既にジャンプに投稿して最終選考にまで残った作品を許可なくネット上にアップする。
法的にはシロなのかもしれませんが、倫理的にはもう真っ黒と言っても過言ではない所業です!!
しかもネット上では予想通り高い評価を下され、「何でこれを賞からもらしたのか」と、ジャンプに対しての批判がされている始末!
計算型の捜索をしていると思しき七峰がこの行動を何も考えずするとは考えられません。
下手すればジャンプから干されてしまいかねないこの行動は、一体何を狙ったものなのでしょうか!?
七峰の驚くべき狙いと、その正体が明かされます!!

と言うわけで、大型新人が登場する本作。
サイコー達のファンを公言する七峰ですが、その作品もまたサイコー達が目指しているものに非常に近いものとなっています。
それはすなわち同じ誌面で同じような読み味の作品が収録されると言うことになり、七峰が連載などをすれば直接的なライバルになることは間違いありません。
この新たな強敵の登場は、サイコー達にどんな影響をもたらすのでしょうか?
そしてこのただならぬ才能を感じさせる七峰に隠された秘密とは?
今までにない彼の驚愕するしかない創作風景は、いろいろと考えさせられるものになっているのです!

強敵登場の「バクマン。」第14巻は好評発売中です。
異能の天才新人と、懸命に作品を作ろうとする新人編集が登場する本作。
七峰の驚くべき作品制作方は、ジャンプにどんな爪あとを残すのか?
まんざらフィクションとも言い切れなさそうなその手段の行方に注目です!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


バクマン。 14 (ジャンプコミックス)
集英社
小畑 健

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本日紹介いたしますのはこちら、「バクマン。」第13巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行、週刊少年ジャンプにて連載されています。

作者は小畑健、大場つぐみ両先生。
今までの紹介は「バクマン。」のテーマで記事をまとめていますので、よろしければあわせてご覧ください。

さて、「PCP」は人気作となり無事連載継続となりました。
ですがシュージンは原作者としてもうひとつ連載を持つことを目指すことになり、サイコーもそれに感化され、なにやら思い悩み始めたのです。

何号か連続してジャンプの作家陣が読みきりを発表する人気作家読切祭(スーパーリーダーズフェスタ)。
エイジや蒼樹、平丸あたりの福田組の参戦が決まっており、サイコー達も参加することになっています。
面子が面子だけに気合を入れてかからなければいけないところですが、なんとサイコーはこの読み切りは自分にやらせてくれと言うのです。
シュージンは「PCP」をやりながら、原作者として「恋太&ピース」の連載。
そしてサイコーもまた「PCP」をやりながら読みきりの執筆。
これができたなら、確実に二人の幅が広がり、亜城木夢叶はより大きくなれる!
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そう確信し、サイコーはこんな行動に出たのでした!

蒼樹は早くも読切祭用作品をファンタジックな恋愛物に絞った様子。
更に岩瀬まで読切祭に参加することになり、彼女もまた恋愛物を描くんだとか。
ジャンルかぶりはともかくとして、どちらも強力なライバルとなることは間違いなさそうです!
ますます困難な道を歩むこととなったサイコーですが、何を描くかまったく思い浮かびません!
まあまだ描くことに決めてから5日しかたっていないし……と、とりあえず様子見を決め込むシュージン。
サイコーは仕事中だというのにふらふらと外に出て行き、思案を暮れるばかり。
おじさんが生きていた頃はは子供らしいギャグやヒーロー物ばかり描いていて、おじさんがなくなってからはゲームばかりしていた。
漫画家を目指してからは本当に漫画ばかりの生活をしていて、変わったことなど何もしていない。
人生経験も浅く、シュージンのようにSFやサスペンスを考える頭脳もなく、福田のバイクのように飛びぬけて好きなものも無い。
やはり読み切りなんて無理なのか?シュージンに早めに頼むべきなのか?
自分には何があっているのか、何が好きなのか。
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そんな根源的なことにまでさかのぼりるサイコー。
このままドつぼにはまっていくかと思われましたが、サイコーにもやはりあったのです。
他の誰よりも好きなものが!!

サイコーが描くことにしたのはなんと恋愛物でした!
自分が一番好きなものは何なのか?それは亜豆である、と言う結論からそこへとたどり着いたわけです!
自分が亜豆に恋したときのように、本当の恋に始まりに言葉なんて無い。
そこで、主人公とヒロインに会話をさせず、絵で見せていく……そんな恋愛物を描いてやろうと!
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実際なかなか目の付け所が新しい作風ですから、こればかりは読者の反応を見てみなければ受けるか受けないのかさっぱり読めません。
難しいところですが、ここはもうサイコーの手腕にかかっていると言わざるを得ません!

そしてあろうことか、エイジまで読切祭で恋愛物を描くと宣言!
しかもたまたま見かけた亜豆とサイコーのやりとりをみてひらめいたものとのことで、くしくも出発点はサイコーと一緒といっていいものに!
ジャンル以外の部分でもかぶっちゃっているわけです!
おまけに読切祭にエントリーしているもうひとりの漫画家さんも恋愛漫画が得意ジャンルとのことで、まさかのジャンルかぶり祭になってしまいました!
更に更に、そんな状況を聞きつけた福田も恋愛物で読切祭に参加すると言い張りだし……
ここまで来ればこれはもう売りになると、読切祭を恋愛読切祭に改題し、参加作品すべてを恋愛物に統一し、作品が出揃ったところで人気投票をして順位をつけようと言う企画に変更されたのです!!
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参加作家全員に走る、緊迫感と高揚感。
ネーム作りに四苦八苦していたサイコーも、気恥ずかしさなんかにかまっていられないと亜豆にアドバイスを求めるほど本気に!!
ステップアップのために挑んだこの読切祭、思いもよらない大決戦となりそうです!!

というわけで、にわかに対決ムードとなってきた今巻。
しかしこの後、サイコーとシュージンの関係がギクシャクし始め……
単純なステップアップとは行かない、試練となるのです!
そして注目(?)の、平丸&蒼樹の関係にもひとまずの決着がつけられることに!
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平丸の独り相撲と思われながら、意外とまんざらでもなさげだった蒼樹さん。
二人の関係はどうなるのでしょうか!
更にこのあと、気になる新人漫画家が登場。
その新人が応募してきた作品は、特にシュージンに驚きをもたらします。
読切祭に新たな有力新人の登場。
サイコー達はそれらを活かし、より大きく成長することができるのでしょうか!

ひょんなことから恋愛物で読み切りバトルをすることとなった、「バクマン。」第13巻は好評発売中です
アニメ第2期の放映も徐々に近づいてきている本作。
漫画もアニメも更なる盛り上がりを見せてくれることは間違いありますまい!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


バクマン。 13 (ジャンプコミックス)
集英社
2011-06-03
小畑 健

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本日紹介いたしますのはこちら、「バクマン。」第12巻です。
10年12月に集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行、週刊少年ジャンプにて連載されています。

作者は小畑健、大場つぐみ両先生。
本作の今までの紹介は「バクマン。」のテーマでまとめていますので、そちらのほうもよろしければご覧くださいませ。

さて、「PCP」の連載も始まり、なかなかの高評価を得ることに成功したサイコー達。
ですが、どんな人気を取ったとしてもエイジの作品を超えなければ連載を続けることはできないのです。
起死回生をかけた長期シリーズをはじめ、シリーズもののラストにふさわしいトリックも考え付いた二人。
その最後の一話に逆転の望みを託すのですが……

シリーズ一話目の結果は5位。
2位に「CROW」、4位に「NATURAL」と、エイジの作品はやはり上位で安定しています。
そして2話目のアンケートでは6位。
これはシリーズものの宿命で、どうしても5話シリーズなら2~3話目は落ちてきてしまう傾向があるようです。
ですが最終決戦に入る4話目くらいから人気は上がってくるはず。
それに賭け、シュージンは出来上がった5話目、シリーズ最終回のネームを持って打ち合わせに向かうのでした。

打ち合わせでは服部も良い出来だと納得してくれたのですが、どうしてもシュージンには物足りません。
構成やトリックはいいのですが、5話かけて戦ってきたライバルキャラに勝った!と言うだけで終わってしまうのがどうもひっかかるのです。
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モヤモヤしながらも集英社を出ようとするシュージンですが、そこでたまたま打ち合わせに来ていた岩瀬と港浦と鉢合わせ。
シュージンは何か思うところがあったのか、岩瀬と二人でちょっと話をしないかと誘ってみました。
岩瀬がそれを受け入れ、港浦さんは気を使って退場。
気を使ってもらってなんですが、二人の会話は色気とはまったく無縁の、聞く人によっては県下とも取れてしまうようなものです。
「PCP」がエイジ作品を抜けなければ連載が終わる、それを知っていても手は抜かないと豪語する岩瀬。
シュージンに対する対抗心が強い岩瀬は、自分が負けたら裸で集英社の周りを一周してもいいとまで豪語してしまいます。
明らかに自分に対してだけ強がりを言う岩瀬に対し、どうしてそんなに突っ張るんだと素直に問いかけるシュージン。
もともとは恋心から来ていることなど言える正確ではない岩瀬は口ごもるのですが、シュージンはその答えを待たず、学生時代にかけられたあの言葉を逆にかけたのです。
互いを励みにしてがんばろう、と言うあの言葉を。
当時の告白騒動のときから変わらず、今でも人として嫌いではない、むしろいいライバルになってくれたことを感謝しているし、仲間だとも思っている、でも絶対に負けない、と言い残してシュージンはその場を去ります。
残された形になる岩瀬は、今まで浮かべたことのないようなすがすがしい笑顔を浮かべ、自分も絶対に負けないと決意。
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岩瀬に付きまとっていたモヤモヤはこの会話で晴れたようです!

そしてこの会話でシュージンのモヤモヤが晴れることにもなりました。
自分と岩瀬、そしてエイジたちのような認め合うライバル関係。
こういういいライバルはお互いを高めあうことを実感したシュージンは、「PCP」の主人公と、今回のシリーズのライバルキャラをそういった「認め合うライバル」にしようと思いついたのです!
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これだと言う考えが浮かべば後は形にするだけ。
ものすごい勢いで最終回のラストを書き直すシュージン。
サイコーもライバルのキャラがすごく良くなったと絶賛する、最高のラストに生まれ変わったのです。
5話シリーズの3話目は7位、4話目は6位とそれほどシリーズものに挑戦したせいかは感じられなかった「PCP」。
ですが、うまれかわった最終回はジャンプの編集者たちをうならせることに成功します!
この調子で読者の心も打つことが出来たのでしょうか!?
素晴らしい出来となった「PCP」、その順位は!?
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サイコー達のジャンプにおける最後のチャンス、その最初のピンチをどんな形で切り抜けるのでしょうか!!

と言うわけで、「PCP」の人気の行方が描かれる今巻。
中盤からはその毛色が変わり、サイコー達が求めてやまないアニメ化やメディアミックスに関しての話や、サイコー達のアシスタントを中心にした物語が描かれます。
好調の「PCP」に降りかかる、嬉しくも悔しい報告は、今後のサイコー達にどんな結果をもたらすのか。
アシスタントのトラブル(?)はどういう方向にすすむのか、やはりそれがサイコー達にどのような影響をもたらすのか。
人気作を生み出したにもかかわらず、サイコー達には順調という道は用意されていないようです!

今巻もさまざまな出来事が起きる「バクマン。」第12巻は好評発売中です。
11年秋よりアニメの第2期の放映も決まり、話題に事欠かない本作。
原作、アニメともどもまだまだ目が離せませんね!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


バクマン。 12 (ジャンプコミックス)
集英社
2011-03-04
小畑 健

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本日紹介いたしますのはこちら、「バクマン。」第11巻です。
10年12月に集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行、週刊少年ジャンプにて連載されています。

作者は小畑健、大場つぐみ両先生。
「バクマン。」のテーマにて本作の紹介をまとめておりますので、よろしければそちらもご覧ください。

さて、進退を賭けての新連載を作り出すため奮闘していたサイコーたち。
自分達の全てを注ぎ込んだ新作を考える二人が考え出し、連載までこぎつけたのは「完全犯罪クラブ(仮)」という新たな切り口の作品でした!

担当が元の服部に戻り、シュージンの原作を文章にするという環境の変化などもあり、モリモリと筆の進む二人。
正月休み返上で連載用のネームを作り出します。
さっそく服部と打ち合わせをすることになるのですが、疲れているにもかかわらず二人はどこを直せばいいかとそれはもうグイグイ来るではないですか!
そのやる気に素直に感嘆した服部は、そのやる気をくじかないようにアドバイスしようと心がけます。
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ですがまず口を開いたのはシュージンでした。
「完全犯罪クラブ」言う仮タイトルはまったく同名の物があるけどどうしようか、と。
それは確かに変えたほうがよかろうと案をだしあう3人。
横文字にしようかとか、シンプルにキャラ名をそのままにするか……などと考えますが、ピンとくるものがないまま2時間が経過。
とりあえず名前は宿題と言うことにして、ネーム本編のお話に入っていくことにしました。
と思いきや、服部はまだネーム直しの段階だが原稿にしなくていいのかと聞いてきます。
帰ってきたのは、本当に限界ギリギリまで考え抜いて面白くしたいんだと言うやっぱりやる気満々マンな返答です!
そのやる気を買って服部はもしなんなら近々予定されている連載作家が集うの新年会にでなくてもいい許可を与え、ズバリと直すべき部分を告げたのでした。

直す部分とは、「主人公をもっと主人公らしくする」ということ。
リアル世界設定のなお話で、普通の小学生と言う縛りはありながらも、あまりに普通すぎるデザインで物足りないと言うのです。
やはりなかなかうまいこといかないもので、デザインはその新年会の日になっても固まっていませんでした。
ですがその新年会の日に見かけたカヤの携帯電話を見てサイコーは閃きます!
いまどきの女性らしい、ジャラジャラとぶら下げられた携帯ストラップ。
そこで、
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主人公の持つ携帯に様々なツールをストラップとしてぶら下げさせ、ついで(?)に犯罪モードの時には眼鏡をかけさせると言うキャラ付けを発案したのです!

キャラデザインが決まり、サイコーたちはようやく現行作業に移り始めます。
新たなアシスタントも元デザイン系専門学校生の森屋、漫画は未経験ながら絵は達者な白鳥の2人を加え、前作から引き続き参加する折原とともに仕事をすることになりました。
良くも悪くもそれぞれの漫画論を持っている白鳥と森屋はいきなり衝突するものの、
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説得力あるサイコーの言葉を聞いて和解し、現場の雰囲気も上々。
しかもその衝突がきっかけで今まで決まっていなかったキャラクターの名前も決まり、雨降って地が固まった感じでよい方向に進みます!
タイトルもその流れでひらめいたのか、「完全犯罪クラブ」を言葉を置き換えて英語にし、その頭文字をとった「PCP 完全犯罪党」に決定!
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内容もネーミングも会心のできとなり、サイコーたちは第1話のアンケートで絶対1位を取ると、自信と言うか、不退転の決意を示したのでした!

ですが一つだけ不安な点もあります。
「PCP」連載第1話が載るジャンプには、ライバルであり盟友でもある福田渾身の新作読みきり、「ロードレーサー淵切」が掲載されるのです。
ジャンプ読者の少年があこがれるであろうバイクを取り扱い、その上少年受けには定評のある福田の新作なのですから自身のある作品と言えども胡坐はかいていられません!
連載作業に一生懸命で、世間の反応など気にしていられないし、アンケートの結果をただ待つわけにも行かずに仕事を続けるサイコーたちですが、どうしても気にはなってしまいます。
エイジを倒すには第1話がアンケート第1位と言うのはもはや最低条件。
大事な大事な第1話のアンケート結果は、意外な結果となったのでした!

というわけで、いよいよ勝負の連載作が始まった今巻。
この「PCP」の連載開始をきっかけに、ジャンプ連載陣のやる気もモリモリと上昇!
打倒エイジを目標に掲げるサイコーシュージンだけでなく、引き上げられるかのように福田や岩瀬、そしてエイジ本人もあの手この手で作品のクオリティを上げていくのです!
今まで以上に作品同士のぶつかりあいが激化し、作品を作り上げていく様子なども描かれ、いままで思い悩むシーンが多めになっていた本作も初期のような明るくやる気の溢れる展開が連続!
熱い展開に引き込まれるのではないでしょうか!

新連載に全力投球する「バクマン。」第11巻は好評発売中です。
アニメ第2期も決定し、まだまだ任期が続いていくことが予想される本作。
ちょろっと顔を見せてくれた中井さんの復活とかにも期待しながら今後に注目ですね!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


バクマン。 11 (ジャンプコミックス)
集英社
2010-12-29
小畑 健

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