本日紹介いたしますのはこちら、「バクマン。」第15巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行、週刊少年ジャンプにて連載されています。
作者は小畑健、大場つぐみ両先生。
今までの本作は「バクマン。」のテーマで紹介をまとめていますので、あわせてご覧くださいませ。
さて、ネット上で多くの人と話し合って作品を作り上げると言う、商業誌で個人名義で発表する作品としてはじゃどうな手段でジャンプに殴りこんできた七峰。
ファンであり、ライバル視していた亜城木夢叶の「PCP」に照準を合わせて連載を続けていた七峰ですが、彼の思惑とは裏腹に徐々に人気は下降。
もはや打ち切り候補に挙げられてもおかしくないレベルにまでなり、あせり放題あせる七峰。
そんな彼が追い詰められた末にひねり出す作戦とは……!?
七峰が考えたのは、なんと「PCP」のネタを盗んで先回りしてやる、というあんまりにもあんまりな作戦でした。
じゃあそんなことをどうやって実現するのか?と言えば、担当の小杉にこっそり見てきてもらうように頼む、というこちらも苦し紛れなもの。
編集部では既に七峰の漫画作成方法が一部に知れており、その上人気も下降線と見限りムードなのですが、小杉だけはその限りではありませんでした。
できることなら七峰の目を覚まさせ、正攻法の漫画制作に取り掛かりたい。
そんな彼の真摯な思いも知らない七峰ですが、そんな七峰の望みを小杉は受け入れるのです!
ただ、当然こっそり原稿を覗いてネタを盗用することなどさせません。
しっかりと本人を含めた各所に話を通した上で、「PCP」がやる予定のネタの概要だけ教えてもらい、同じネタを同じ号で描き競わせる、と言う形にしたのでした!!
同じ号ならば人数の利もあるから負けるはずがないと自信を漲らせる七峰。
ですが、そんな状態に陥ってもシュージンは一切慌てていないのです!
相手はいくら今は大不評連載中の作品とはいえ、連載開始直後は好調だった作品。
それほど油断はできないはずですが、その真意とは……?
そんな戦いを終えたあと、サイコー達にまたも思いもよらないトラブルが降りかかるのです。
何気なく見ていたテレビでいきなり報道されたニュース。
そこでなんと、「銀行の金庫に何者かが侵入し、『侵入した』とだけ書かれた手紙を置いて行く」という、「PCP」の作中ですこしだけ語られたいたずらをまねした人物が現われたのです!!
世間から漫画に対しての風当たりは強いもの。
ニュースではいわゆる「専門家の意見」みたいなものも流れていて、犯罪を助長するような漫画だ、とでも言わんばかりの悪意に満ちた報道を繰り返しています。
下手すれば「PCP」の打ち切りにもつながりかねないこの事件を、気丈に振舞うもののやっぱりシュージンは気にしてしまっている様子。
作中でもそのいたずらを含めて「人に迷惑をかけてはいけない」と言うようなことを明言していることもあり、担当や編集長からも気にせず今のまま行けと太鼓判を押されていはいるのですが、どうしても考え込んでしまうシュージン。
頭では気にせず書こうと思っていても、どうも心の奥底で無意識にセーブしてしまっているようで……
どうしても「犯罪」にならない完全犯罪を書いてしまい、今まであった綱渡りのようなスリリングさを失ってしまっていたのです!
そうなれば人気もどうしても落ちてしまいます。
ですが、だからと言ってすぐ今までどおりの「PCP」に戻すことができるほどシュージンは天才ではなく。
どうしても納得のいく作品が生み出せず、スランプに陥ってしまうシュージン。
その間もどんどん人気は落ちてしまい、ついには数週間連続して2桁順位にまで落ち込んでしまうのです!
続くスランプ、やまない世間から吹く逆風。
次々襲い来るトラブルに、二人はいかにして立ち向かうのでしょうか!!
と言うわけで、2人に襲い掛かるトラブルが連続する今巻。
特に模倣犯問題は明確な敵や回避方法があるものではなく、連載開始後はかなり順調だった「PCP」に対して最大の試練と言えるかもしれません。
今までの問題と違う、「頑張り」だけではどうにもならないかもしれないこの試練、どんな決着を迎えるのでしょうか?
そしてこの二つの事件の間にもうひとつ、ちょっとした事件が起こります。
本作中一番の駄目人間の中井さんにまつわるトラブルなのですが……
こちらも妙な雲行きに!
駄目駄目中井さんを待ち構えている末路とは一体!!!
アニメ第2期も開始となった「バクマン。」第15巻は好評発売中です!
続々降りかかる困難も、作品の好調さよろしく跳ね除けて行ってくれるはず!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!